2017 Fiscal Year Annual Research Report
Preclinical and clinical study of influenza microneedle vaccine and analysis of immunity induction mechanism
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16H05112
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中川 晋作 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (70207728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅田 秀夫 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60252681)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ワクチン / マイクロニードル / インフルエンザ / 臨床研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロニードル(MN)ワクチンの免疫誘導メカニズム解析に向けた皮膚常在性抗原提示細胞の機能・動態解析並びに所属リンパ節におけるリンパ球特性解析を行った。まずMN貼付後の皮膚組織おける遺伝子発現変動をDNA microarrayにより解析した結果、炎症性サイトカインであるTNF-αやIL-1βおよびAlarminとして知られるIL-33のmRNAが無処置の皮膚よりも顕著に増加していた。さらに、細胞死に伴い放出される自己核酸の認識に重要なDAIおよびIRF-7のmRNAレベルもMNの貼付に伴い顕著に増加していた。病理学的解析からは、MN貼付局所の皮膚周辺において炎症性細胞 (好中球、リンパ球およびマクロファージ) の浸潤が認められた。また、各炎症性細胞の浸潤を経時的に解析したところ、MN貼付から6、12時間後に好中球の浸潤が、12、24時間後にリンパ球およびマクロファージの浸潤が顕著に増加することが明らかになった。また皮膚常在性抗原提示細胞の機能・動態解析については、MN貼付により所属リンパ節内でLCおよびCD207陰性dDCの存在比が顕著に増加していた。さらに、このような皮膚由来DCサブセットの増加はプラセボ投与群においても抗原投与群と同程度誘導されることが示された。また、プラセボのMN貼付後の所属リンパ節における皮膚常在性DCサブセットのポピュレーション変動を経時的に解析したところ、LCの存在比が貼付24時間後で増加していたのに対して、CD207陰性dDCの存在比は貼付2時間後から24時間後にかけて徐々に増加していることが示された。 一方、インフルエンザHA抗原を塗布したMNワクチン製剤のヒトにおける有効性・安全性評価を行ったところ、HA抗原に対する抗体価の上昇を確認した。また重篤は副反応は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎研究については、当初予定していた計画通りに実施することが出来た。臨床研究についても予定通りに実施することが出来たが、新たな問題が発生したので、今後の研究については対応が必要となることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
基礎研究については、特段の問題が無いので当初の予定通りに研究を実施する予定である。臨床研究については、ワクチン効果が十分とは言えなかったことから、問題点を精査して新たな改良を加えた上で実施する必要があると考えている。
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Research Products
(2 results)