2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of pathophysiology for precision medicine and development of companion diagnostics
Project/Area Number |
16H05115
|
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 亨 自治医科大学, 医学部, 客員教授 (90359620)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 健一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70436484)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 個別医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポストゲノム時代を迎えた現在、研究対象はゲノムからプロテオームやメタボロームといったオミクスへと主眼が移りつつある。プレシジョン医療はオミクス情報に基づくバイオマーカーを用いて患者のサブグループ分けを行い、サブグループごとに最適な治療法を施すものである。心血管病態は多様なため、プレシジョン医療が必要かつ期待できる領域であるが、有用なバイオマーカーが少ないため、十分に活用されていない。本研究では、プレシジョン医療の実践を目的としたバイオマーカーを開発し、治療効果・安全性を予測するコンパニオン診断薬として活用する。バイオマーカーでリスク層別化するためには臨床情報の正確な反映が最重要なため、臨床データが揃った臨床教室で実施する利点は大きい。必要な技術の開発と導入は予備検討で既に実施済みである。バイオマーカーとなる病態関連蛋白質の新規発見ないし病態メカニズムの解明ならびに臨床応用を目指す。すなわち、本研究では、オミクス解析を用いてプレシジョン医療の実践のための疾患バイオマーカーを同定し、治療効果・安全性を予測するコンパニオン診断薬を開発する。 平成28年度は病態解明に必要な革新的オミクス解析としてプロテオームないしメタボローム解析を行い、心血管疾患の病態関連蛋白質の新規発見ないし病態メカニズムの解明、さらに臨床応用(バイオマーカーとしての診断や治療の有効性・安全性評価)を探索した。バイオマーカーの有用性検証には欠落が無く質の高い大規模臨床試験の臨床データが必要であり、それの構築を継続実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成29年12月までに、オミクス解析の準備、大規模臨床試験の検体受領を行い、平成30年3月までにオミクス解析を行う予定だった。平成29年12月、オミクス解析に使用する大規模臨床試験の血液検体の提供元の研究期間において、想定外にも主論文の解析が遅れた。検体の提供は主論文発表後に可能となるため、本実験に用いる検体の受領が遅れた。その結果、オミクス解析の開始が6か月遅延することとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究は計画通り推進する。具体的には以下の通りである。 病態解明に必要な革新的オミクス解析としてプロテオームないしメタボローム解析を行い、心血管疾患の病態関連蛋白質の新規発見ないし病態メカニズムの解明、さらに臨床応用(バイオマーカーとしての診断や治療の有効性・安全性評価)を図る。バイオマーカーの有用性検証には欠落が無く質の高い大規模臨床試験の臨床データが必要であり、それを構築する。病態発症時における多段階にわたる蛋白質のプロセシングや翻訳後修飾等の制御を探り、新しい心血管病態制御因子の発見ならびにメカニズムの解明も行う。オミクス解析の準備、大規模臨床試験の検体受領を行い、オミクス解析を行う。
|