2017 Fiscal Year Annual Research Report
Neuroprotection and morphoregulation of centrosome-associated molecules by STB/HAP1 in knock-out or transgenic mice
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16H05118
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
篠田 晃 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (40192108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳井 章江 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20284854)
藤永 竜太郎 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30335723)
Md・Nabiul Islam 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80759671)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 斑点小体 / 中心体周囲物質 / ハンティンティン / 脳 / 神経変性 |
Outline of Annual Research Achievements |
N2a細胞でPCM1とhuntingtin(Htt)は点状γ-tubulin/MTOCの周囲にあるが、HAP1導入で両者はMTOCを離れ、PCM1 はSTBに集積し、Httはdiffuseになった。視床下部不死化細胞mHypoEではPCM1は点状γ-tubulin/MTOC 周囲にあるが、Httはdiffuseで、HAP1導入によりPCM1はSTBに集積し、Httはdiffuseであった。脳内ニューロンではγ-tubulinがdiffuseで点状になくPCM1もHttもdiffuseで、視床下部等HAP1発現領域ではPCM1はSTBに局在し、Httはdiffuseになり、mHypoEの結果と同じであった。HAP1-KOマウス脳内ではSTB/HAP1は形成されず、PCM1もHttもdiffuseな形態をとる事が明らかになった。中枢神経特異的なHAP1過剰発現マウスでは、HAP1は本来発現しない領域に導入された場合はHAP1もPCM1もHttもdiffuseであり、本来のHAP1/STB形成領域に導入された場合はHAP1/STBを形成し、PCM1もHAP1/STBに吸着し、Httはdiffuseとなった。STB/HAP1の細胞死抑制効果については、小胞体ストレス、熱ショックストレス、酸化ストレス、プロテアソーム阻害ストレスによりmHypoEでアポトーシスを誘導しcPARPを指標に評価した。その結果、STB/HAP1は特異的にプロテアソーム阻害型アポトーシスに対して保護効果を示すことが明らかになった。以上、HAP1はPCM1の吸着を介し中心体やHttに影響し、プロテアソーム阻害ストレス性細胞死誘導を抑制することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HAP1KO mouseは生後2日しか生存せず、生後発達や成獣また加齢における形態や機能の評価ができなかった点、中枢神経特異的なHAP1過剰発現マウスもHAP1が標的部位以外の多くの領域にバラバラと導入されており、HAP1の導入の影響を個体レベルでの解析が難しかった点は残念であった。しかし両マウスともに細胞レベルでの解析と新生仔マウスの解析は出来ることを利用して、下記、培養細胞や新生仔で重要な結果が得られた。つまりSTB/HAP1はPCM1を吸着することで中心体やHttの形態や機能に間接的に影響を与えること、さらに細胞死抑制効果についても関与している可能性を明らかにすることができた。また、STB/HAP1の組織化学的解析を行い、脊髄にSTB/HAP1が豊富に発現すること、一方で運動ニューロンは特異的にSTB/HAP1の発現が欠落していることを世界で初めて報告し、運動ニューロンの特異的ストレス脆弱性を説明する論文が発表できた。また、遺伝子改変マウスの胎生期から新生仔においてGnRH細胞の脳内移動の解析を行い、移動にHAP1が必須であることを明らかにすることが出来た点は想定外に大きいものであった。これらは全て世界初の新しい成果であり、神経変性疾患のメカニズム解明や診断、治療に新たなブレークスルーとなる可能性がある。こういう点で自己点検評価としては、概ね順調に進んでいると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.HAP1のPCM1とHttに与える影響に関して、培養細胞株とHAP1-KO mouseとの新生仔脳内で、HAP1の欠失がPCM1,Httらの細胞内局在形態に及ぼすことをあきらかにした内容と、STB/HAP1発現による細胞保護作用に関して、培養細胞株とHAP1-KO mouseの新生仔脳で、細胞死保護効果の可能性についてさらに必要なデータを追加する詰めの実験を行い、国内外での学会発表を行い、また一流国際学術誌への投稿用の英文論文を作成する。 2.遺伝子改変マウスのGnRHニューロンの解析によりSTB/HAP1がGnRH細胞の胎生期の脳内移動に必須であることがわかった。さらにデータを追加することで国内外で学会発表を行い、一流国際学術誌への英文論文作成を目指す。 3.これまでに作製した中枢神経特異的なHAP1過剰発現マウスの結果をうけ、現在、組織領域特異的にHAP1遺伝子を導入するためのレポーターマウス作製に世界で初めて成功しつつあり、現在誕生してきている。このマウスと種々のDNA組換え酵素発現マウスとを掛け合わせることにより、狙った標的特異的にHAP1を発現させることができるはずである。これが成功すれば、神経変性脆弱部位として知られる脊髄脳幹運動ニューロンや中脳脚橋被蓋野、マイネルトの基底核などに焦点を当て、更なる組織化学的解析と行動解析を推し進めることが可能であると考えられる。
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Research Products
(15 results)
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[Journal Article] Clock Gene Dysregulation Induced by Chronic ER Stress Disrupts β-cell Function.2017
Author(s)
Ohta Y, Taguchi A, Matsumura T, Nakabayashi H, Akiyama M, Yamamoto K, Fujimoto R, Suetomi R, Yanai A, Shinoda K, Tanizawa Y.
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Journal Title
EBioMedicine
Volume: 18
Pages: 146-156
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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