2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analyses on vesicular traffic pathways for systemic RNAi
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16H05123
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
三谷 昌平 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90192757)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | RNA干渉 / 線虫 / 小胞輸送 / 亜鉛トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はENTHドメインタンパク質RSD-3の欠損により全身性RNAiの効果が低下することを発見し、この変異体の抑圧変異体(サプレッサー)の分離を行い、そのうちの1つがZIPタイプの亜鉛トランスポーターであることを見出した。この遺伝子の変異は単独でも若干の全身性RNAiの効果が増強する傾向にあり、RSD-3と小胞輸送のどこかで拮抗的に働くと想像される。RSD-3は二本鎖RNAの取り込みに関わることが示唆されているので、亜鉛輸送体自体は、取り込みの抑制を行うか、細胞外への分泌を抑制していることが考えられる。このトランスポーターは主として後期エンドソームに局在し、細胞質に亜鉛を輸送すると考えられる。線虫に亜鉛キレーターを投与して全身性RNAiを作用させると、RNAiの効果が増強し、逆に、高濃度亜鉛処理後ではRNAi効果が減弱する。亜鉛輸送体は、RSD-3以外のRNAiに障害のある変異体との相互作用を調べたところ、sid-1、sid-2に対しては抑圧効果がなかったが、sid-3、sid-5に対しては抑圧効果が認められた。ドメインスワップを用いたコンストラクを用いたレスキュー解析により、C末端に近い膜貫通部位の細胞質付近のアミノ酸残基のモチーフによって後期エンドソームに局在する場合には機能があるが、その部位が別のアミノ酸に置き換えられると活性がないことが分かった。線虫ゲノムに存在する亜鉛トランスポーター28種類について単独のRNAi促進効果とrsd-3変異体への抑圧効果を調べたが、作用が認められたのが1遺伝子のみであったことなどから、この結果は、RNAi作用に置いて亜鉛濃度が重要な部位が限局していることを示していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々が発見した全身性RNA干渉に必要な分子RSD-3の抑圧遺伝子をスクリーニングで同定した。亜鉛輸送体の1つであることが判明し、その局在などの基本事項はほぼ解明できた。亜鉛が全身性RNA干渉の効率に影響することが亜鉛添加や亜鉛キレーターなどから分かったので、現象として間違いないと考えており、論文執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
亜鉛輸送体と共に発見したrsd-3変異体の抑圧遺伝子の1つリン脂質輸送体の局在等の基本情報を取得済である。この分子の作用機序が解明できそうなので、2019年度に残りのデータを取得し論文投稿を行う。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Structure and function analysis of the C. elegans aminophospholipid translocase TAT-1.2019
Author(s)
Chen YZ, Kloditz K, Lee ES, Nguyen DP, Yuan Q, Johnson J, Lee-Yow Y, Hall A,Mitani S, Xia NS, Fadeel B, Xue D
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Journal Title
J Cell Sci.
Volume: 132
Pages: jcs227660
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] UDP-N-acetylglucosamine-dolichyl-phosphate N-acetylglucosaminephosphotransferase is indispensable for oogenesis, oocyte-to-embryo transition, and larval development of the nematode Caenorhabditis elegans.2019
Author(s)
Kanaki N, Matsuda A, Dejima K, Murata D, Nomura KH, Ohkura T, Gengyo-Ando K,Yoshina S, Mitani S, Nomura K
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Journal Title
Glycobiology
Volume: 29
Pages: 163-178
DOI
Peer Reviewed
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