2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16H05141
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石谷 太 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (40448428)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 細胞運命 / Wntシグナル |
Outline of Annual Research Achievements |
Wnt/βカテニンシグナルは、“多機能”なシグナル伝達経路である。このシグナルは状況に応じて細胞に対して未分化維持、増殖、分化、成熟、生存、死等の質的に異なる運命を選択的に誘導し、私たちの体を構成するほぼ全ての組織の構築と恒常性維持を支える。一方でWntシグナルは、腫瘍細胞の未分化性や増殖、生存を正に制御することで、がんの発症や悪性化にも関わる。しかし、Wntシグナルがどのようなメカニズムによって質的に異なる細胞運命を状況ごとに選択的に誘導することが出来るのか、については未解明である。本研究では、このWntシグナルの選択的な細胞運命誘導のメカニズムを解明し、これによりWntシグナルの多機能性を支える分子基盤を理解することと、その成果を起点に、腫瘍細胞の増殖を支えるWntシグナル制御因子と、その活性阻害化合物の探索を行い、がん治療への貢献することを目指している。 29年度は、ゼブラフィッシュ個体を用いた解析により「Wntシグナルが特定の条件(環境条件)において細胞死を誘導すること」を見出した。そして、本研究で確立した「ゼブラフィッシュ個体からセルソーターを用いてWntシグナル活性化細胞を分取してオミクス解析する技術」を用いて、Wntシグナルが細胞死を選択する際の制御因子を探索し、いくつかの候補を絞り込んだ。 また一方で、ゼブラフィッシュ個体を使った解析により、転写因子NFkBが細胞運命制御においてWntシグナルの活動をmodifyすることを発見した。 さらにWntシグナル制御因子を標的とした活性制御化合物の探索、解析を進め、in vitroにおいて大腸がん細胞の生存を抑制しうる化合物を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Wntシグナルが特定の細胞運命を選択するメカニズムの一旦を解明し、さらに独自のオミクス解析によりその制御因子候補を絞り込むことができたため。 また一方で、新たなWntシグナルのmodifierを発見するとともに、大腸がん細胞の生存を抑制しうるWntシグナル制御化合物を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
オミクス解析の結果を継続的に解析し、Wntシグナルが選択的に細胞死を誘導する仕組みを詳細に解明する。 また一方で、29年度までの解析で見出したWntシグナルの新規制御因子に注目して、Wntシグナルの多機能性の分子基盤を解析する。 また、これまでの研究で得たWntシグナル制御因子の阻害剤の解析を進め、がん治療効果などを検証していく。
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Research Products
(9 results)