2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of molecular targets by analysis of signaling networks in pancreatic cancer
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16H05165
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
古川 徹 東北大学, 医学系研究科, 教授 (30282122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 亮太 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (20318059)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 膵頭領域癌 / オルガノイド / 全エクソン解析 / 分子標的 / ドライバー分子 / intern-linked kinase |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は膵臓癌/膵頭領域癌切除組織より癌細胞のオルガノイド培養を行い、二次元培養とは異なる、より生体内に近い、三次元的なマトリックス中で増殖した癌細胞について、網羅的な分子プロファイリングと動的な分子ネットワーク相互作用の解析をする事で、癌細胞の表現型に直接関与するドライバー分子を明らかにし、新たな診断バイオマーカー、分子治療標的を同定する事を目的とした。最終年度である令和2年度にはこれまでの成果の取り纏めと論文投稿を行なった。これまでに54例の膵頭領域癌切除検体からオルガノイド培養を行い、30例において継代可能なオルガノイド培養細胞を得、オルガノイド樹立成功率は55.6%であった。組織処理法の改変、培地の各種増殖因子の組成変更、継代方法の工夫によりオルガノイド培養成功率をあげることができた。実際に培養したオルガノイドには、球状のballoon-like organoidと、塊状のsolid organoidの2種が得られ、それぞれにおける遺伝子変異検索により、balloon-lkie organoidは遺伝子変異を有しない正常上皮由来のオルガノイドであり、それに対し、solid organoidは遺伝子変異を維持した腫瘍由来オルガノイドであることを見出した。Solid organoidを選択的に培養し、それらは原発組織の病理学的特徴をよく反映していた。原発腫瘍組織から抽出したDNAで全エクソン解析を行い、オルガノイドにおける遺伝子変異を確認して分子治療標的候補を検索した。新規分子標的候補としてintegrin-linked kinase (ILK)を抽出し、実際にILK変異を有するオルガノイドで濃度依存的に増殖抑制効果が得られることを明らかにした。以上の結果はEuropean Journal of Cancer誌に原著論文として発表し東北大学からプレスリリース行なった。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Remarks |
プレスリリース 2021年3月16日
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