2017 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカイン産生性免疫微小環境による自然免疫系細胞と慢性炎症・感染防御の制御
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16H05172
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
生田 宏一 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 教授 (90193177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷一 靖江 京都大学, 医学研究科, 助教 (50432331)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | サイトカイン / リンパ組織 / Tリンパ球 / Bリンパ球 / NK細胞 / 自然リンパ球 / ストローマ細胞 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨髄において、骨芽細胞でIL-7遺伝子が破壊されるCol2.3-Cre IL-7cKOマウスを解析し、骨芽細胞が自然リンパ球の分化を担うニッチとして働く可能性を示した。CAR細胞、血管内皮細胞、血液細胞でIL-15遺伝子が破壊されるLepr-Cre、Tie2-Cre、Vav-Cre IL-15cKOマウスを解析し、血液細胞由来のIL-15がNK細胞の分化、成熟、維持に関与している可能性を示した。また、骨髄において、NK細胞の一部がクラスターを形成することを明らかにした。 胸腺において、胸腺上皮細胞でIL-15Rα遺伝子が破壊されるFoxn1-Cre IL-15RαcKOマウスを解析し、胸腺上皮細胞由来のIL-15が2B4+ iNKT細胞の分化に重要であることを明らかにした。したがって、胸腺上皮細胞が、IL-15Rα鎖とIL-15を胸腺細胞にtranspresentationしていると考えられた。 抗生剤をマウスに投与することで、腸管上皮細胞においてIL-7の産生が低下し、IL-15の産生が増加したことから、腸内細菌叢が腸管上皮細胞のサイトカイン産生を制御していることが明らかになった。 肝臓において、肝細胞でIL-15遺伝子が破壊されるAlb-Cre IL-15cKOマウスを解析し、肝細胞由来のIL-15が1型自然リンパ球の維持に必要であるが、conventional NK細胞の維持には関与しないことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄のIL-7については、自然リンパ球の分化についてほぼ結論が得られつつある。骨髄のIL-15については、NK細胞の一部がクラスターを形成することが明らかになった。腸管については、腸内細菌叢が腸管上皮細胞のサイトカイン産生を制御していることが明らかになった。肝臓については1型自然リンパ球が減少するという新たな結果が得られている。以上のことから、ほぼ満足できる達成度と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
骨髄のIL-15については、Ltf-Creマウスを用いることで、血液細胞の中でも骨髄球系細胞が産生するIL-15が、NK細胞の分化、成熟、維持に重要かを検討する。胸腺のIL-15については、2B4+ iNKT細胞ががん細胞の転移の抑制に関与しているかどうかを、メラノーマ細胞の肺転移についてFoxn1-Cre IL-15cKOマウスを使って解析する。肝臓については、1型自然リンパ球とNK細胞の間で、肝臓内での局在や内皮細胞への接着の違いがないかを解析する。腸管上皮細胞におけるIL-7とIL-15の産生制御については、腸内細菌によるTLRシグナルの関与について解析を進めていく。
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[Journal Article] Glucocorticoids drive diurnal oscillations in T cell distribution and responses by inducing interleukin-7 receptor and CXCR42018
Author(s)
Shimba, A., Cui, G., Tani-ichi, S., Ogawa, M., Abe, S., Okazaki, F., Kitano, S., Miyachi, H., Yamada, H., Hara, T., Yoshikai, Y., Nagasawa, T., Schutz, G., and Ikuta, K.
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Journal Title
Immunity
Volume: 48
Pages: 286-298
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] High fat diet exacerbates murine psoriatic dermatitis by increasing the number of IL-17-producing γδ T cells.2017
Author(s)
Nakamizo, S., Honda, T., Adachi, A., Nagatake, T., Kunisawa, J., Kitoh, A., Otsuka, A., Dainichi, T., Nomura, T., Ginhoux, F., Ikuta, K., Egawa, G., and Kabashima, K.
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Journal Title
Sci. Rep.
Volume: 7
Pages: 14076
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Competition between STAT5 and PI3K of the IL-7R modulates T cell and type 2 ILC development in vivo2017
Author(s)
Cui, G., Shimba, A., Zhu, Y., Tani-ichi, S., Hara, T., and Ikuta, K.
Organizer
第46回日本免疫学会学術集会
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