2017 Fiscal Year Annual Research Report
生体内間葉系幹細胞の可視化による未分化性維持と細胞運命トレーシング
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16H05173
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
松崎 有未 島根大学, 医学部, 教授 (50338183)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / FZD5 / 細胞運命 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまで申請者らが開発した細胞分離技術やレポーター遺伝子群を活用し、MSCの未分化性維持や分化の方向決定において 、Wnt/Notchシグナルがもたらす分子機構を体系的に解明することによって、幹細胞・前駆細胞・成熟細胞のふるまい(未分化性維持 、分化の方向性決定)をコントロールするメカニズムをin vivo・in vitro両面から理解する試みを行っている。本年度は下記2点について検討を行った。 目的①:マウスFzd5遺伝子座にCreリコンビナーゼと変異型エストロゲンレセプターとの融合遺伝子(CreERT2)に蛍光タンパク質(KOr)を連結した遺伝子を導入したノックインマウス(Fzd5-KI)を作製し、レポーター遺伝子導入マウスとの交配によりマウスの成長過程における骨髄内MSC(PαS)の細胞運命トレースを行う。 成果①:本年度はFzd5-KIマウスの作製に成功し、まずFzd5-KIマウスの骨髄内におけるPαS細胞とKOr陽性率との関連を解析したが、KOr陽性細胞を検出できなかった。そこで、wild-typeマウス、およびFzd5-KIマウス個体から単離したPαS細胞由来total RNAを用いたRT-PCRによるCreリコンビナーゼの発現を確認したところ、Fzd5-KIマウスのみに目的PCR産物が検出された。 目的②:若齢マウスでのPαS細胞数の変化を解析する。 成果②:体性幹細胞は、個体の加齢と共に減少することが知られている。そこで、若齢マウス(生後5日~14日)の骨髄におけるPαS細胞の数をフローサイトメトリーにて解析した。その結果、生後10日から12日でピークになり、以降は減少していくことを明らかとなった。また、若齢マウス由来PαS細胞も8週齡マウス由来PαS細胞と同様に、コロニー形成能(CFU-F)、脂肪・骨分化能共に十分な能力をもっていることが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度に作製したFzd5-KIマウスは、Creリコンビナーゼの発現は確認できたが連結した蛍光タンパク質(KOr)によるin vivoでのKOr陽性細胞を検出できなかった。そのため、予定していたレポーター遺伝子発現マウスとの交配による骨髄内PαS細胞の細胞運命トレースには至らず、再度Fzd5-KIマウスの作製を行う必要ある。したがって、本年度は当初の研究計画からやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに基礎検討を行って得た知見を活かし、研究計画をすすめる。 現状、おおむね計画通りに進行しており、大きな変更の必要はない。 ただし、Fzd5-KIマウスについては、再度作製を行っており現在約60匹の産子が得られている。今後、ジェノタイピングによりファウンダーマウスを同定し、解析を行う予定である。
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Research Products
(9 results)