2016 Fiscal Year Annual Research Report
Molecural imaging of pathogenesis in a mouse model of viral infections
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16H05174
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
早坂 大輔 長崎大学, 熱帯医学研究所, 准教授 (10346926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 弘大 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10719496)
淵上 剛志 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (30432206)
塩竈 和也 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (10387699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 分子イメージング / ダニ媒介性脳炎ウイルス / PET / SPECT / FDG / IMP / チクングニヤウイルス / ジカウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
ダニ媒介性脳炎ウイルスの2つの株(Sofjin株とOshima株)をC57BL/6jマウスに接種し、18F-FDGを尾静脈から投与し、頭部および腹部の陽電子放射断層(PET)撮像を行った。脳の18F-FDG集積は、Sofjin株、Oshima株感染マウスともに、非感染マウスと比較して有意な差はなかった。一方、Sofjin株感染マウスで腸管に特異的な18F-FDG集積がみられた。また、Oshima株感染マウスの重症・軽症個体の比較では、頭部、腹部ともに明らかな特徴はみられなかった。これらの結果から、ダニ媒介性脳炎ウイルス感染マウスにおいて、18F-FDG PETイメージングは腸管での病態を示すという新しい知見が得られた。 また、ダニ媒介性脳炎ウイルスOshima株感染マウスにおいて、脳血流量の指標とされる123I-IMPを投与して単一光子放射断層(SPECT)を試みたところ、脳での123I-IMPが、非感染マウスに比べて感染マウスで有意に低下していたことから、ダニ媒介性脳炎ウイルス感染マウスでは脳の血流量が低下していることが示唆された。 チクングニヤウイルスの病原性の異なる株(M-30株とS-27株)、ジカウイルス(MR766株)を、IFNAR KOマウス(A129マウス)に接種して、ダニ媒介性脳炎ウイルスと同様に18F-FDGによるPET撮像を行った。しかしながら、両ウイルスともに、非感染マウスと比較して特徴的な18F-FDG集積部位が確認できなかったことから、これらのウイルス感染マウスモデルにおいては、18F-FDG PETイメージングによる病態観察の見込みは低いと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中枢神経組織感染、脳炎を起こすダニ媒介性脳炎ウイルス、全身性疾患、熱性疾患を起こすチクングニヤウイルス、ジカウイルスの感染マウスモデルを用いて、PETおよびSPECTイメージングによる生体内機能の可視化が可能かどうか、病態(ウイルスの病原性)に関連した特徴的なトレーサー集積が見られるかどうか、の確認を行うことができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
呼吸器感染を起こすウイルス(インフルエンザウイルスなど)を経鼻感染させたマウスモデルを用いた呼吸器の分子イメージング、ジカウイルスを妊娠マウスに感染させた胎児の分子イメージングも試みる。 腸管で特徴的な18F-FDG集積がみられたダニ媒介性脳炎ウイルスSofjin株、我々が以前報告したSFTSウイルス、トフラウイルス(いずれもブニヤウイルス科、腸管で特徴的な18F-FDG集積がみられる)感染マウスモデルを用いて、腸管の病態について、病理学的解析、免疫学的解析および分子生物学的解析によるバイオマーカーの特定など、グルコース代謝と病態との関連性の解明を試みる。 脳炎を起こすウイルスについて、18F-FDG、123I-IMP以外の脳機能マーカーとなるトレーサーを用いた分子イメージングを引き続き行う。
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Research Products
(1 results)