2017 Fiscal Year Annual Research Report
ヘルスコミュニケーション学から取り組むヘルスリテラシーの課題と持続可能な改善
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16H05211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 ひろの 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40384846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 大輔 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 講師 (40637039)
江頭 正人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (80282630)
木内 貴弘 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (10260481)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヘルスコミュニケーション / ヘルスリテラシー / 患者教育 / 医療面接教育 / エンパワーメント |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘルスコミュニケーションは、医療の質や安全、人々の健康行動や健康にも重要な影響をもつとされる。このヘルスコミュニケーション向上のカギとして、「ヘルスリテラシー」(健康医療に関する適切な情報を入手し、正しく理解した上で、意思決定に利用していく力)が注目されてきたが、その改善に向けた取り組みはまだ個別的、経験的なものに止まっている。本研究では、ヘルスコミュニケーション学の視点から、我が国のヘルスリテラシーに関する課題を保健医療の利用者・援助者と提供者および組織との相互作用として分析し、その解決に向けた教育プログラムの開発評価と持続可能な普及に取り組むことを目的とし、平成29年度には以下を実施した。 目的1(利用者・援助者)については、これまで実施してきた市民向けの教育プログラムについてデータをまとめて分析し、日本健康教育学会で発表した。この際、来日していたヘルスリテラシーの概念の提唱者のNutbeam氏と議論する機会があり、それらをもとに市民向けのヘルスリテラシーの教育の評価研究として論文化した。また、本人と援助者のヘルスリテラシーの関連等を検討するため一般住民を対象として実施した調査のデータ分析を進めた。目的2(提供者)については、初期研修医を対象として実施してきたコミュニケーションに関する調査のデータを分析し、論文化するとともに、ヘルスリテラシー関して保健医療専門職がもつべきコミュニケーションスキルを含め、初期研修医向けのコミュニケーションスキルに関する小冊子を作成、配布した。 目的3(組織)については、Health Literate Organizationに関する文献のレビューを進めるとともに、職場環境と労働者のヘルスリテラシーが本人の健康行動に与える影響について調査計画を策定し、調査フィールドとの調整を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
全体としては、計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き計画に従って、各プロジェクトを進めていく。 目的1,2については、調査実施とデータ収集がほぼ終了しており、データの分析と公表を進めるとともに、今後の研究および実践へのつながりを作っていく。 目的3については、調査の実施に向けて準備を進める。
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Research Products
(10 results)