2016 Fiscal Year Annual Research Report
新たながんプロファイリング診断としての超臨界流体質量分析システムの検証
Project/Area Number |
16H05227
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
吉田 優 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (00419475)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | メタボロミクス / 質量分析計 / 超臨界流体抽出 / 超臨界流体クロマトグラフィー / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、超臨界流体抽出と超臨界流体クロマトグラフィーにタンデム四重極型質量分析計を接続した新しい分析系を構築し、その分析系の「がんプロファイリング診断システム」への適用の可能性について検証することを目的とした。はじめに、オンライン超臨界流体抽出(SFE)-超臨界流体クロマトグラフィー(SFC)-質量分析(MS)装置を用いることで、ヒト血清中に存在する代謝物が、より感度よく分析できるのか否かについて検討した。本検討では、血清をスポットした乾燥血清スポット(DSS)を使用した。まず、SFC-MSによる血中代謝物分析において、最適なカラムの選定を行った。続けて、SFCにおいてモディファイヤーとして使用する溶媒、ならびに、そのグラジエント条件など、最適条件の検討を実施した。次に、SFE-SFC-MSの状態での血中代謝物分析の最適条件の検討を実施した。これらの順で分析条件の検討を実施し、SFE-SFC-MS装置において、ヒト血清中に存在する代謝物をより感度よく分析できる最適条件を決定した。 また、本研究課題の最終目標であるオンラインSFE-SFC-MS装置によるバイオマーカー測定、ならびに、そのバイオマーカー分析システムの構築に先駆け、代謝物バイオマーカー候補を見出すため、液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS)を用いて、がん患者、ならびに、健常者の血中代謝物分析を開始した。はじめに、対象としたがん種は、口腔がん、膵がん、大腸がんで、平成29年度での代謝物バイオマーカー候補選定に向けて、現在、血液検体の分析を進めている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に実施した研究により、SFE-SFC-MS装置において、ヒト血清中に存在する代謝物をより感度よく分析できる最適条件を決定でき、また、本研究で対象とする代謝物バイオマーカー候補の選定に目途もつきつつあるので、ほぼ計画通りに研究が進んでいると判断している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成29年度も、平成28年度に引き続き、本研究で対象とする代謝物バイオマーカー候補の探索を実施し、平成29年度中にその選定を終了する。また、選定された代謝物バイオマーカー候補を対象として、SFE-SFC-MS装置における分析条件の再検証等を実施し、オンラインSFE-SFC-MS装置による代謝物バイオマーカー分析システムの構築に向けたデータ収集を進める。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Investigations in the possibility of early detection of colorectal cancer by gas chromatography/triple-quadrupole mass spectrometry2017
Author(s)
Nishiumi S., Kobayashi T., Kawana S., Unno Y., Sakai T., Okamoto K., Yamada Y., Sudo K., Yamaji T., Saito Y., Kanemitsu Y., Tsuda Okita N., Saito H., Tsugane S., Azuma T., Ojima N., Yoshida M.
-
Journal Title
Oncotarget
Volume: 8
Pages: 17115-17126
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
[Journal Article] Identification of highly sensitive biomarkers that can aid the early detection of pancreatic cancer using GC/MS/MS-based targeted metabolomics2017
Author(s)
Hirata Y., Kobayashi T., Nishiumi S., Yamanaka K., Nakagawa T., Fujigaki S., Iemoto T., Kobayashi M., Okusaka T., Nakamori S., Shimahara M., Ueno T., Tsuchida A., Sata N., Ioka T., Yasunami Y., Kosuge T., Kaneda T., Kato T., Yagihara K., Fujita S., Yamada T., Honda K., Azuma T., Yoshida M.
-
Journal Title
Clinica Chimica Acta
Volume: 468
Pages: 98-104
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-