2016 Fiscal Year Annual Research Report
A new technology for tissue diagnosis with combination of Raman scattering spectrometry and bioimpedance measurement
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16H05238
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高成 広起 徳島大学, 病院, 特任講師 (70723253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 高教 大分大学, 工学部, 准教授 (40243969)
芦原 貴司 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (80396259)
橋本 悟 徳島大学, 病院, 特任講師 (60352150)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 散乱光分析 / 組織インピーダンス / コンピュータ・シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
1. ガラス底培養皿に培養した心筋細胞を用いて、ラマン散乱光分析を試みた。単層に培養された心筋細胞の厚みが薄すぎて、培養皿底面のガラスの散乱光成分が大きく検出されてしまい、心筋細胞に特異的な散乱光の検出が困難であった。この問題を解決するためにガラスの散乱光成分を減算処理して心筋細胞特異的な散乱光を抽出することを試みたが、ノイズが大きすぎて特異的波長成分の検出は困難であった。これらの結果から、培養細胞を用いた実験系は本研究に適さないと判断し、摘出心臓組織を用いた実験系に急遽変更し、ブタ摘出心臓の心房組織を用いて散乱光分析を行った。この結果、心房組織の内膜側と外膜側で心筋組織に特異的な散乱光ピークを複数検出することができた。 2. 培養細胞のインピーダンス測定を、Multi-Electrode Array(64電極)を用いて実施した。心筋細胞を単独で培養した場合に比べて、骨格筋芽細胞と心筋細胞を共培養した場合の方がインピーダンスが高く測定された。また心筋細胞単独で培養した場合は各電極間のインピーダンスが均一であったのに対し、骨格筋芽細胞と心筋細胞の共培養では電極間のインピーダンスにばらつきを認めた。これらは概ね研究仮説に沿う結果であった。ただし、本研究設備はインピーダンスの定量性に欠けること、また散乱光分析が培養細胞を用いた実験系では困難なこと、などの理由により、インピーダンス測定も摘出心臓組織を用いた実験系に変更する方針とし、平成28年度末~平成29年度初頭にこれら実験機器を揃えることとした。 3. コンピュータ上で心筋細胞の電気生理学的特性を組み込んだバイドメイン・モデルを作成した。引き続き、交流電流印加のプログラムを作成中で、平成29年度にシミュレーションを開始できる体制を整えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では培養細胞を用いて実験を遂行する予定であったが、培養心筋細胞の光学的計測が困難であることが実験を進める中で判明した。そこで、摘出心臓組織を用いた組織実験に切り替えて散乱光分析を行うことで、計画を支障なく遂行できている。また散乱光分析に先行していたインピーダンス測定では培養細胞を用いていたが、散乱光分析とインピーダンス測定を同時に行うという本研究の趣旨に照らし合わせ、摘出心臓組織用のインピーダンス測定機器を揃えることで、対象が培養から摘出組織に変わったとはいえ、概ね当初の計画通りに実験を進めることができている。コンピュータ・シミュレーションは既に心臓の電気生理学的特性を入力したバイドメインモデルが完成しており、交流電流印加のプログラミングも進んでいる。いずれも当初の予定通りである。以上の理由から、現在までの進捗は順調であると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度~最終年度には光学的計測(散乱光分析)とインピーダンス測定を同時に行うための実験系を構築する。光学分析機器の測定プローブを顕微鏡型から光ファイバー型に変更し、ファイバーを組織に密着させて散乱光分析を行うシステムを完成させる。また、光測定を行なう部位において心外膜側からインピーダンスを直接測定できる多電極プローブおよび組織インピーダンス測定システムを完成させる。これらの測定システムを病態モデル動物(心筋梗塞モデルのマウスもしくはラット)に応用し、心筋梗塞によって生じた心筋線維化を光学分析およびインピーダンス測定によって検出できる、特異的な生体情報の抽出を目指す。 コンピュータ・シミュレーションの分野では、作成したバイドメインモデルに交流電流を印加し、組織内の電流の流れを観察する。特に交流電流の電流量や周波数を変化させた際に、測定される組織インピーダンスや電流が流れる範囲(広さ・深さ)がどのように変化するかをシミュレーションする。また本モデルにも線維化組織を組み込むことで、病態心における交流電流印加の影響を検証し、病態モデルを用いた動物実験の結果と照らし合わせてデータを統合する。 これらのデータから、光情報とインピーダンス情報を組み合わせた新しい組織診断のアルゴリズムを構築することを目指す。
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Research Products
(16 results)
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[Journal Article] MED12-related XLID disorders are dose-dependent of immediate early genes (IEGs) expression2017
Author(s)
Donnio LM, Bidon B, Hashimoto S, May M, Epantchintsev A, Ryan C, Allen W, Hackett A, Gecz J, Skinner C, Stevenson RE, de Brouwer AP, Coutton C, Francannet C, Jouk PS, Schwartz CE, Egly JM
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Journal Title
Hum Mol Genet
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Calmodulin/CaMKII inhibition improves intercellular communication and impuslse propagation in the heart, and is anti-arrhythmic under conditions when fibrosis is absent2016
Author(s)
Takanari H, Bourgonje VJA, *Fontes MSC, Raaijmakers AJA, Driessen H, Jansen JA, van der Nagel R, Kok B, van Stuijvenberg L, Boulaksil M, Takemoto Y, Yamazaki M, Tsuji Y, Honjo H, Kamiya K, Kodama I, Anderson ME, van der Heyden MAG, van Rijen HVM, van Veen TAB, Vos MA
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Journal Title
Cardiovascular Research
Volume: 111
Pages: 410-421
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] A new in vitro co-culture model using magnetic force-based nanotechnology2016
Author(s)
Takanari H, Miwa K, Fu X, Nakai J, Ito A, Ino K, Honda H, Tonomura W, Konishi S, Opthof T, van der Heyden MAG, Kodama I, Lee JK
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Journal Title
Journal of Cellular Physiology
Volume: 231
Pages: 2249-2256
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Splicing misregulation of SCN5A contributes to cardiac-conduction delay and heart arrhythmia in myotonic dystrophy2016
Author(s)
Freyermuth F, Rau F, Kokunai Y, Wahbi K, Matsumura T, Fujimura H, Mochizuki H, Deryckere F, Kimura T, Nukina N, Ishiura S, Lacroix V, Campan-Fournier A, Navratil V, Chautard E, Auboeuf D, Horie M, Imoto K, Lee KY, Swanson MS, Lopez de Munain A, Inada S, Itoh H, Nakazawa K, Ashihara T, et al.
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 7
Pages: 11067
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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