2016 Fiscal Year Annual Research Report
日本食コンポーネントが動脈硬化指標に与える影響-オミックス網羅的解析を用いた検証
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16H05241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寳澤 篤 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00432302)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 日本食コンポーネント / 動脈硬化 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
当初計画では平成28年度はデータベースの整理、特に栄養素摂取量、内頚動脈内膜中膜肥厚、家庭血圧・中心血圧などのデータ整理を計画し実施した。栄養素に関しては、回答項目をいくつかの食事群に分け、食事群ごとの摂取量の計算を可能としたほか、食事パターンの分析を可能とした。内頚動脈内膜中膜肥厚についてもデータの整理を完了した。さらに家庭血圧・中心血圧・歩数についての整理も行った。 平成28年度は東北メディカル・メガバンク調査、地域住民コホートの地域支援センター受診者のデータ整理を行った。内頚動脈肥厚についての情報は17931名にあり、そのうち緑茶摂取についての回答がなされているのは17868名であった。 17868名のデータを分析したところ平均の頸動脈内膜中膜肥厚は右0.606mm左0.626mmであり 左の方が厚い傾向にあった。1mm以上の肥厚がある者は右で252名(1.4%)、左で384名(2.1%)と当初の予測(5%)よりも少なかった。 緑茶摂取については摂取無しが17.4%、週1-6杯が31.4%、1日1-6杯が46.3%、1日7杯以上が5.3%であった。内頚動脈の厚さを目的変数とした重回帰分析行った結果、内頚動脈の厚さが厚い者は、高齢者、男性、喫煙、高血圧通院者、糖尿病通院者であった。最小二乗平均を比較すると緑茶摂取の多い群の方が内頚動脈肥厚がむしろ高い傾向がみられるが統計学的に有意ではなかった。同様に魚摂取についても魚摂取の多い群の方が内頚動脈肥厚がむしろ高い傾向がみられるが統計学的に有意ではなかった。一方、豆類の摂取量については残差法を用いた解析で、摂取量の多い群の方が内頚動脈肥厚が有意に小さかった。更なる検討を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していたデータ整理が完了し、一部メタボロームの測定も始められているので計画通り進捗していると考えられる。予想していたよりも頸動脈の肥厚ありのものの割合が小さかったものの精度の高い情報が得られており、分析に当たっての問題点は少ないと考えている。一方、データ整理に時間がかかり成果発表の機会を十分に持てなかったことは課題と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究支援者を雇用することで解析のスピードアップを図り、今年度は成果報告の機会を増やしていきたいと考えている。
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