2016 Fiscal Year Annual Research Report
表現型クラスター化と超高次元変数選択法による自閉症スペクトラム障害の原因解明
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16H05242
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
栗山 進一 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (90361071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 元 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (10317745)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 遺伝学 / ゲノム / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
AGRE(Autism Genetic Resource Exchange)及びSSC(Simons Simplex Foundation)とMTAを締結し、AGREにおいては3,348人の患者に関する表現型情報及びSNPデータを入手し、SSCにおいては、2,226人の患者に関する表現型情報及びWESデータを入手した。AGRE及びSSCは自閉スペクトラム症に関する遺伝資源交換システムである。 第一段階としてAGRE及びSSCの表現型データを用い、機械学習によるクラスタ―化を行った。表現型の捉え方に関する戦略は、多様な表現型の同定と薬物・サプリメント反応性等によるクラスター化である。表現型の同定の基本はADI-R等の国際的なゴールドスタンダードとされている指標を主に用いた。表現型に関する多様な変数に関して機械学習によるクラスター分析を行い、Affinity Propagationアルゴリズムを用いて、133個のクラスターに分割した。 ビタミンB6反応性を予測する因子研究(文部科学研究費補助金等)のデータを用いた研究では、研究代表者がこれまでに収集したデータを用い、日本人小児における表現型クラスター化を検討した。すべてのデータがそろっている17人の自閉スペクトラム症と診断された児を対象としたデータベースデータを用い、Affinity Propagationアルゴリズムを適用して、ビタミンB6反応性を有する集団の同定に成功した。現在論文執筆中である。さらに、新たにビタミンB6に反応している子どもたちとその家族を対象とした遺伝子解析を行うべく、倫理申請を行い、承認された。 その他のデータベースについても、データの整理とクリーニングを完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AGRE(Autism Genetic Resource Exchange)及びSSC(Simons Simplex Foundation)のデータ解析においては、予定通り必要とされるすべてのデータを入手し、クラスタ―分析を実施して、133個のクラスターを同定している。 ビタミンB6反応性を予測する因子研究(文部科学研究費補助金等)のデータを用いた研究では、やはり機械学習によってビタミンB6に反応するグループを同定しており、論文執筆を開始している。また、新たなデータを取得するための準備も整った。 他のデータベースにおいても、データを使うことが可能となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
AGRE(Autism Genetic Resource Exchange)及びSSC(Simons Simplex Foundation)のデータ解析においては、同定されたクラスターを新たな表現型としてゲノム解析を実施する。 ビタミンB6反応性を予測する因子研究(文部科学研究費補助金等)のデータを用いた研究では、新たな参加者からのデータを加え、ビタミンB6反応性を有する自閉スペクトラム症の子どもたちの責任遺伝子を解明する。 上記で得られた知見を他のデータベースにおいて検証し、自閉スペクトラム症の全貌解明を行うものである。
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