2017 Fiscal Year Annual Research Report
救急搬送及び入院治療データの分析による救急医療システムの検討
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16H05247
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
萩原 明人 九州大学, 医学研究院, 教授 (50291521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野塚 大介 九州大学, 医学研究院, 助教 (50446829)
永田 高志 九州大学, 医学研究院, 助教 (90501809)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 社会医学 / 救急搬送 / 急性期疾患 / 病院外心肺停止 / 急性期治療 / アウトカム / 救急医療システム / 空間時間統計学 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、我が国では救急出動や救急搬送の需要が大幅に増加し、搬送能力の限界に近づきつつある。今後、高齢化によって搬送から治療までを含む救急医療サービス需要の一層の増加が予想されることから、効率的な救急医療システムの構築に資する新たな知見の獲得が重要である。そこで、本研究では、自治体の救急患者の搬送と入院治療のデータを用い、迅速・適切な救急搬送システム及び効果的な治療法の検討を行うことを目的とする。 平成28年度については、(1)救急搬送及び入院治療データのクリーニング、(2)研究テーマ毎の文献レビューと関連する先行知見の整理を行った。 救急搬送及び入院治療データのクリーニングに関しては、データの入力ミス、全角と半角、生年月日の和暦と西暦表示、氏名の姓名間のスペースの有無、カタカナと漢字表示等の問題が指摘されているため、ハッシュ関数暗号化プログラムの修正による突号精度向上の必要性が指摘されている。そこで、救急搬送及び入院治療データを入手し、データ内容を精査し、これまでに指摘されている問題の有無や程度を検討し、データ突号作業を行った。また、必要に応じてハッシュ関数暗号化プログラムの修正を行い、突号精度の向上を図った。 研究テーマ毎の文献レビューと関連する先行知見の整理に関しては、空間時間統計解析とGISの手法を用いた救急医療システムの検討及び急性疾患に関する搬送・入院治療要因と治療アウトカムの関係に関する文献を中心に、先行知見を整理した。空間時間統計解析とGISの手法を用いた救急医療システムの検討については、内外における救急医療と空間時間統計解析及びに関する先進事例を調査し整理した。急性疾患に関する搬送・入院治療要因と治療アウトカムの関係については、疾患を循環器疾患(脳梗塞、脳出血・くも膜下出血、心筋梗塞)、外傷及び熱中症に絞り、内外の先行研究をレビューして知見を整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していたデータクリーニング及び先行知見の整理については、予定どおり作業が進んでおり、おおむね順調に進展しているものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに構築した救急搬送データを用い、行政区域単位での時間帯別の救急患者の発生や搬送状況を明らかにする。 各行政区域の人口、地域データ、救急搬送データを用い、人口及び地域特性と時間帯別の救急出動件数及び搬送時間の関係を明らかにする。 空間時間統計解析及びGISの手法を用い、時間帯別の救急車の配置位置の変更による救急搬送時間の変化を予測する。また、将来推計人口データ等を用い、消防署の最適配置等について検討する。
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Research Products
(8 results)