2017 Fiscal Year Annual Research Report
重症熱性血小板減少症(SFTS)不顕性感染調査および感染リスク評価
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16H05258
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
黒田 嘉紀 宮崎大学, 医学部, 教授 (50234620)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乗峰 潤三 宮崎大学, 産業動物防疫リサーチセンター, 教授 (30627667)
竹内 昌平 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (80432988)
佐藤 実 産業医科大学, 産業保健学部, 教授 (90162487)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | SFTS / 重症熱性血小板減少症 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定通り宮崎県を調査地とした調査を継続し、福岡県北九州市および長崎県長与町の調査も開始した。その結果、2018年3月末までに宮崎県で3635名、北九州市78名、長崎県91名の協力者の協力が得られた。総計として3804名の特定健診受診者の残余血液を収集し、抗体価の測定を行った。 測定は確認作業にため複数回測定する必要があることから今年度の結果は暫定的なものである。SFTSウイルス感染症にはこれまでの報告から不顕性感性が見られると言われている。日本と同じようにSFTS感染症の発生がある中国では、不顕性感染率が1~2%であるとする報告があり、日常生活で住民は比較的頻繁にSFTSウイルスの曝露を受けていると考えられている。しかし暫定的結果ではあるが、今回の結果からすると宮崎県の状況は中国の不顕性感染率と比較してかなり低率であることはほぼ間違いないと思われる。この結果から宮崎県は日本において最も患者数が多い県であり、ウイルスを持ったマダニの存在も確認されてもいるが、住民へのウイルスの曝露状況は中国に比較して相当少ないことが想像された。日本におけるマダニ接触率が中国と比較して極端に少ないとは考えにくいことから、多分野生のマダニにおけるウイルス感染率も中国と比較すると低いのではないかと考えられる。しかしその真偽を確かめるには広くマダニの調査を行うことが必要であることから明確ではない。対策として重要なのは、ウイルスへの曝露が少ない可能性があることから極端に怖がる必要ななく、日々の生活でマダニへの接触を避けることが重要で、十分予防できるのではないかと思われた。最終結果は確定検査と抗体価の詳細を分析を待つ必要があり、その分析を現在行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は宮崎県、福岡県北九州市および長崎県長与町で調査を行なった。宮崎県および長崎県長与町での調査は概ね順調に行えた。しかし北九州市での調査では、特定健診を実施している北九州市医師会との調整において調査日が宮崎県での調査と重なり調査スタッフを確保できない問題等が発生したため、当初予定した協力者が得られなかった。このような問題はあったが、総合的には概ね順調に調査は行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は宮崎県全域、および福岡県北九州市で予定数の協力者を得るため、調査を続行し、当初予定した協力者数の協力を得る予定である。
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