2016 Fiscal Year Annual Research Report
微小カラーコードとIOTを応用した手術用機器の完全自動化トレースシステムの開発
Project/Area Number |
16H05265
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安原 洋 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (50251252)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 智 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10647407)
深柄 和彦 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70323590)
小松 孝美 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80343119)
齋藤 祐平 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (90422295)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 手術器具 / UDI / 個体識別子 / QRコード / バーコード / カラーコード / 医療安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
改良型エポキシ樹脂を使用してUDI(個体識別子)を各種手術器具に貼付し,通常の臨床現場で使用される条件(138℃,20分)で洗浄・滅菌操作を10回行った。従来のエポキシ樹脂を用いたものでは90%以上のUDI脱落を認め,樹脂自体も全てが混濁したが,改良型エポキシ樹脂においては,10%の脱落に留まり,樹脂自体の透明性についても良好に保たれていた。 また,改良型エポキシ樹脂により貼付されたUDIに対する器械識別については,比較的良好で,エポキシ樹脂を使用しないUDI(洗浄・滅菌は行わない)と同等の認識率でUDIの読み取りが行われた。 これとは別に行われた手術器具の識別能力を改善するためのプロトタイプ自動読み取り装置の改良では,読み取り装置に装備する3D-CADデータを別途追加で作成して手術器具の認識能力が向上するかどうかを確認した。3D-CADデータはデータ容量と画像構成の違う3種類をハサミ,鉗子で作製した。手術器具の読み取り能力の比較では,ハサミ,鉗子の読み取りでは,新たに作成した3D-CADにおいて明らかに読み取り精度が向上したが,データ容量の大きな場合認識時間が明らかに延長した。また,ハサミなどの蝶番を起点として作成した3D-CADデータでは他の2種類の3D-CADデータを用いた場合と同等の読み取り精度の向上が確認された。ただし,本方法は蝶番など支点を有する手術器具のみに適応されるため,今後セッシ,ヘラなど特殊な形状に関しては3D-CADデータの作成方法を工夫する必要があると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エポキシ樹脂の不良からUDIを貼付した手術用器具自体の準備,UDIの滅菌耐性の検討は遅れたものの,大動物を用いての検討は一部終了している。このため,研究費を繰り越した後の研究については,当初の予定通りに進行していると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
エポキシ樹脂の改良,鋼製小物のCADデータ作成が比較的順調に進んだため,今後は再度鋼製小物を大刀物で使用して検証する予定である。また,プロトタイプのUDI読み取り装置で入手した情報について,データを分析するソフトの開発はまだ行われていない。今後はその2点についての検証と装置の作り込みを行う予定である。
|