2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05312
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
森 建文 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (40375001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 恵美子 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20466543)
伊藤 貞嘉 東北大学, 医学系研究科, 教授 (40271613)
大崎 雄介 東北大学, 大学病院, その他 (40509212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 腎うっ血 / 腎循環 / 腎間質圧 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットの左腎静脈にシルバーマンクリップをかけ、腎静脈を狭窄することにより腎うっ血モデルを作成した。しかしながら、左腎静脈を完全閉塞するラットがあり、静脈内圧を測定することが困難であったため、下大静脈の左右腎静脈分岐部間を結紮するモデルを考案した。このモデルではカテーテルをそれぞれ閉塞部の上流と下流に設置することにより静脈内圧を測定することができた。これにより右腎の腎静脈分岐部付近の下大静脈圧を保ったまま左腎静脈分岐部付近の下大静脈圧を高く保たれた。これにより右腎をコントロールとした左腎の腎うっ血モデルが作成できた。腎内血流をレーザードップラー法で確認した所、腎皮質および髄質血流の減少が左腎に認められ、右腎では有意な変化が認められなかった。イヌリンクリアランスによる糸球体濾過率測定では両腎とも一過性に低下がみられたが、右腎では結紮後60分後に前値レベルに回復が認められたが、左腎は低下したままであった。尿量もまた結紮後両腎で低下がみられたが、右腎は回復し左腎の尿量のみ持続して低下していた。腎間質圧は左腎で優位に上昇した。ピモニダゾールによる組織低酸素を確認した所、左腎では右腎に比べ腎髄質外層の尿細管を中心に低下酸素が確認された。さらに左腎では線維化とともにfibronectin、SMAなどの線維化物質やosteopontinなどの尿細管障害関連マーカーのmRNAおよび蛋白の増加が観察された。V-ATPaseの発現を確認したが、明らかな変化は観察できなかった。右腎では有意な変化が観察できなかった。被膜の除去によりこれらの反応は皮質に強く改善がみられた。以上の結果より腎静脈圧の上昇により腎間質圧が上昇し、腎血流の低下とともに糸球体濾過が減少し低酸素および組織障害が起きることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北大学の協力により、動物実験や組織化学研究は順調に進んでいる。モデルの改良を行ったため、この部分は28年度の研究を再度行うことになったが、モデルの優位性と確実性により、研究が進行したため、おおむね順調に進展した。さらに東北医科薬科大学の研究棟が完成し来年度の準備も行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
東北医科薬科大学において研究棟の完成により、新しい腎うっ血モデルを作成し、左腎と右腎の遺伝子や蛋白発現をマイクロアレーやウェスタンブロット等で確認し、腎うっ血におけるメカニズムを詳細に確認する。さらに低真空走査電子顕微鏡等を用いて腎うっ血による線維化機序をペリサイトロスなどの観点から探求する。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Acidic organelles mediate TGF-β1-induced cellular fibrosis via (pro)renin receptor and vacuolar ATPase trafficking in human peritoneal mesothelial cells.2018
Author(s)
Oba-Yabana I, Mori T, Takahashi C, Hirose T, Ohsaki Y, Kinugasa S, Muroya Y, Sato E, Nguyen G, Piedagnel R, Ronco PM, Totsune K, Ito S
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Journal Title
Scientific Reports.
Volume: 8
Pages: 2648
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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