2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05333
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
中里 雅光 宮崎大学, 医学部, 教授 (10180267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 浩晶 宮崎大学, 医学部, 助教 (00381062)
山口 秀樹 宮崎大学, 医学部, 講師 (10305097)
迫田 秀之 宮崎大学, 医学部, 講師 (50376464)
柳 重久 宮崎大学, 医学部, 助教 (60404422)
坪内 拡伸 宮崎大学, 医学部, 助教 (60573988)
清水 浩一郎 宮崎大学, 医学部, 医員 (90711292)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ペプチドホルモン / 内分泌学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)エネルギー代謝調節に作動する新規のGPCR受容体とペプチドの探索:高脂肪食性肥満や遺伝的肥満マウスの迷走神経節を採取して抽出したRNAを用いて、マイクロアレイ解析を行い、対照と比べ発現量が変動しているオーファン受容体を網羅的に検索した。その結果、2つの候補GPCRを特定した。同定したGPCRをCHO細胞やHEK293細胞に導入した発現系細胞を樹立した。ラット脳、胃、十二指腸、小腸をそれぞれ酢酸抽出後にゲルろ過HPLCにて分画した。この抽出物の分画で、候補GPCR発現細胞を刺激し、CellKeyとCypHerのアッセイ系を用いて、新規ペプチド探索を進めている。 2)ペプチドの自律神経調節作用と病態との関連解析:loxP-stop KI GHSRマウスとPhox2b-Creマウスを交配して、後脳と自律神経だけでGHSRを発現するマウス(Phox2b-GHSRマウス)を作製した。Phox2b-GHSRマウスとGHSRノックアウトマウス、野生型マウスで、視床下部と延髄、迷走神経節、消化管などの各臓器におけるGHSRとCreの発現を定量的PCR法とウエスタンブロッティング法で解析し、GHSRの発現臓器を確認した。これらのマウスを用いて、摂食量と摂食時間の日内変動、運動量を比較解析した。また、Phox2b-GHSRマウスに摂食調節因子(グレリン、NPY、GLP-1、レプチン)を脳室内あるいは末梢投与した時の摂食行動の変容を解析した。さらに、摂食中枢における、摂食調節因子およびその受容体の発現量を定量的PCRと免疫染色で解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エネルギー代謝調節に作動する新規のGPCR受容体候補を同定することができた。候補GPCR受容体の発現細胞とアッセイ系を確立して、新規生理活性ペプチドの探索を進めることができている。 後脳と自律神経だけで特異的にGHSRを発現するマウスを作製できた。このマウスを用いて自律神経を介する摂食行動の調節作用を解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
1)摂食・エネルギー代謝情報の神経を介するセンシング機構の分子論的解析:軸索を伸長させたマウスの培養迷走神経節ニューロンに消化管で産生されるペプチド、胆汁酸、モノアミン、アミノ酸、サイトカインなどを投与し、①オールインワン蛍光顕微鏡を用いた細胞内カルシウムの濃度変化による電気的興奮性の解析を行う。測定後、シングルセルPCRを行い、発現している受容体を確認する。 2)消化管ペプチドの糖代謝における役割の解析:消化管ペプチドをラット・マウスに投与した時の、インスリン分泌・糖代謝を詳細に解析し、生理的意義を明らかにする。肥満と糖尿病病態モデル動物におけるペプチドとその受容体の発現量変化を解析して、病態生理学的意義を明らかにする。 3)新規に同定したペプチドの機能解析:新規に同定したペプチドやその抗体をラット・マウスの脳室内および末梢に投与して、摂食、エネルギー消費、糖・脂質代謝、水・電解質代謝、下垂体や消化管、膵ホルモン分泌調節作用などを解析する。ペプチド投与後の他の内分泌因子の発現量の変動を解析し、作用機序を解明する。また関連疾患モデル動物におけるペプチドとmRNAを定量し、病態生理学的意義を提示する。 4)高脂肪摂取による腸管での炎症が迷走神経求心路を介して、延髄、視床下部へと経神経性に炎症を波及させる機序の解明:マウスに高脂肪食あるいはLPSを投与後、腸管、迷走神経、延髄、視床下部、脾臓、肝臓、脂肪組織で炎症関連マーカーの多重染色とmRNA定量を行う。高脂肪食は1日でも炎症をもたらすことから、経時的に組織別の炎症反応を検討する。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Canagliflozin, a sodium glucose cotransporter 2 inhibitor, attenuates obesity-induced inflammation in the nodose ganglion, hypothalamus, and skeletal muscle of mice2016
Author(s)
Naznin F, Sakoda H, Okada T, Tsubouchi H, Waise TM, Arakawa K, Nakazato M
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Journal Title
Eur J Pharmacol
Volume: 794
Pages: 37-44
DOI
Peer Reviewed
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