2016 Fiscal Year Annual Research Report
大量並行シークエンスを用いた多角的アプローチによる希少難治性疾患の解明
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16H05357
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三宅 紀子 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (40523494)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 新規疾患遺伝子 / 全ゲノムシークエンス / 全エクソームシークンス / 機能解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度までにAicardi症候群 52症例、Galloway-Mowat 症候群 29家系、ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群 34家系、関節弛緩型エーラス・ダンロス症候群 24症例を集積した。各疾患の罹患者対し全エクソーム解析を行い、想定される遺伝形式従って候補となるバリアントをリスト化し、2症例以上に共通して変異のある遺伝子に着目して順次Sanger法による確認と、家系内segregationを検証した。更に、Aicardi症候群に関しては、全ゲノムシークエンスを典型例に対して施行し、現在データを解析中である。Galloway-Mowat 症候群に関しては、2家系の連鎖解析で同定された候補領域内のタンパク質翻訳領域を、全ゲノム解析で解析し、一家系において新規疾患遺伝子候補を同定しており、機能解析により病的変異であることを確認した(論文作成中)。ステロイド抵抗性ネフローゼ症候群と関節弛緩型エーラス・ダンロス症候群に関しては、まだ候補遺伝子を同定していない。また、今までに報告のない特徴的な臨床像を呈する小児早期発症の多系統神経萎縮を呈する家系に対して全エクソーム解析を用いて解析し、本疾患がTBCD遺伝子の劣性変異で起こることを明らかにした。剖検例の脳組織学的検索により、TBCDの異常により微小管に依存する細胞内ミトコンドリア輸送も障害されたことを反映している可能性が示唆された。またショウジョウバエの神経細胞を用いたレスキュー解析により、患者に認められた変異体では、異常な軸索形態が正常に回復しないことを証明し、発症メカニズムを明らかにした(Miyake et al., 2016 Am J Hum Genet)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規疾患遺伝子TBCDを同定した。全ゲノム解析はすでにデータを解析中であるため、おおむね順調に進行していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
全エクソームで疾患遺伝子にたどり着けない疾患群に対し、全ゲノム解析を積極的に行う。
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Research Products
(29 results)