2016 Fiscal Year Annual Research Report
Pathologic clarification and development of new medicine for imprinting disorders in terms of hydroxymethylation
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16H05362
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
山澤 一樹 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (10338113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鏡 雅代 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 室長 (70399484)
松原 圭子 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 分子内分泌研究部, 研究員 (90542952)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メチル化 / ゲノムインプリンティング / ヒドロキシメチル化 / エピジェネティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、マウス脳のIG-DMRにおいて5-メチル化シトシン(5mC)の脱メチル化中間代謝産物である5-ヒドロキシメチル化シトシン(5hmC)が特徴的な分布を示し、神経分化に重要な役割を果たす可能性があるというデータを得ている。IG-DMRの高メチル化異常を示す鏡-緒方症候群(KOS)症例において精神運動発達遅滞が必発であること、また脳に5hmCが大量に含まれていることから、KOSの特に神経組織における解析は重要であると考えられる。患者の脳サンプルに直接アクセスすることはできないことから、患者線維芽細胞からiPS細胞を樹立し、神経系に分化誘導する系を用いて解析を進めた。 平成28年度は、KOS欠失症例4例、KOSエピ変異症例3例、KOSと鏡像関係を示すTemple症候群(TS)欠失症例1例よりiPS細胞を樹立し、神経幹細胞への分化誘導を試みた。現在、我々が新規に開発した酸化バイサルファイト法、パイロシークエンスおよびDNAメチル化ビーズアレイを組み合わせて5hmCと5mCを区別した網羅的メチル化解析(Matsubara et al. Clin Epigenet 2015)を行い、5hmCの分布を解析中である。全体的な傾向として、iPS細胞の5hmC含有量は親細胞である繊維芽細胞に比しわずかに増加しており、個体差が大きかった。Δβ値(5hmCレベルを表す数値、0が非ヒドロキシメチル化、1が完全なヒドロキシメチル化状態にあることを示す)が0.1以上を示したCpG部位はiPS細胞で多く認められた。また、親細胞、iPS細胞ともに、Δβ>0.1を示すCpG部位は転写開始点近傍やCpG islandで少なく、親細胞とiPS細胞との間で5hmC含有量の多いCpG部位の分布パターンには大きな違いは認められなかった。神経幹細胞における5hmCの分布については現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株間の個体差やデータのばらつきが想定よりも大きく、またiPS細胞の分化誘導に時間を要しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
個体間および細胞株間でのデータのばらつきが大きいため、エントリー症例および細胞株を増やし、同実験系での解析をより大規模に行う予定である。また、胎盤にはインプリンティング遺伝子が強く発現していることが知られているが、罹患児から胎盤組織を入手できたため、これに関しても同様の解析を行う方針である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] H1foo Has a Pivotal Role in Qualifying Induced Pluripotent Stem Cells2016
Author(s)
Kunitomi A, Yuasa S, Sugiyama F, Saito Y, Seki T, Kusumoto D, Kashimura S, Takei M, Tohyama S, Hashimoto H, Egashira T, Tanimoto Y, Mizuno S, Tanaka S, Okuno H, Yamazawa K, Watanabe H, Oda M, Kaneda R, Matsuzaki Y, Nagai T, Okano H, Yagami K, Tanaka M, Fukuda K.
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Journal Title
Stem Cell Reports
Volume: 6
Pages: 825-833
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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