2017 Fiscal Year Annual Research Report
PET所見に基づく自閉症・シナプス膜移行異常仮説の検証
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16H05373
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
松崎 秀夫 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00334970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
謝 敏カク 福井大学, 子どものこころの発達研究センター, 助教 (40444210)
松崎 伸介 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (60403193)
片山 泰一 大阪大学, 連合小児発達学研究科, 教授 (80333459)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 自閉症 / NSF / セロトニントランスポーター / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はPET画像解析により、自閉症者で脳内のセロトニン・トランスポーター(SERT)分布に異常があることを示した。一方、SERTの自閉症者脳内mRNA発現は変化していなかった。以上より自閉症者脳内においてSERTの細胞膜移行の異常が考えられるため、SERT結合分子の網羅的解析に着手し、SERT膜輸送分子としてN-ethylmaleimide-sensitive fusion protein(NSF)を同定した。本研究では「シナプスを構成する分子の細胞内輸送の障害が自閉症の病態の核心である」と仮説を立て、セロトニン神経特異的NSFコンディショナルノックアウトマウス(NSF-cKO-SNS)、神経・グリア細胞特異的NSFコンディショナルノックアウトマウス(NSF-cKO-NGS)の作製・解析を行い、SERTの脳内分布異常の有無と、自閉症様行動の有無を網羅的に解析して、仮説の正否を検証する。Cre/loxPシステムを用い、NSFヘテロKOマウスおよびNSF発現を種々の特異的条件で抑制したマウスNSF-cKO-SNSとNSF-cKO-NGSを作製・維持して実験に供した。その結果、NSFヘテロKOマウスを用いた総SERT発現および脳内の局在変化、行動実験はほぼすべて完了し、このマウスでは超音波発声試験でも自閉症様所見を確認することができた。この成果は2018年の日本神経科学学会、北米神経科学学会(SFN)に発表の予定である。 一方で、分担研究者によるNSF-SERTの介在分子の探索実験は、SERT結合量を増やそうと過剰量遺伝子導入した結果、かえってネガティブなデータが出て膠着した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NSFヘテロKOマウスを用いる実験は着実に進展した。一方でNSFとSERTの関連を検証するためにNSF-cKO-SNS、NSF-cKO-NGSの作製・解析を進めているが、このマウスの脳内でSERTの発現量が減ることは確認できたものの、多くのcKOマウスが6週齢まで成育が進まずに行動実験が進展していない。 分担研究者によるNSF-SERTの介在分子の探索実験では、Rab5とSERT、NCDNのコンプレックスを確認していたもののSERT/NCDN結合が確認できず、flag-SERTのバンドも通常より高くまたは低く出てしまうなどの問題が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
NSF-cKO-SNS、NSF-cKO-NGSの交配をより大規模に進め、cKOマウスの成獣を殖やして実験を実施する。一方NSFヘテロKOマウスを用いる行動実験と形態実験は完了した。シナプス機能の確認のため電気生理学実験データを追加して論文化する。 介在分子の探索は、より精度の高いプロトコールに変更するため、NCDNについているHaloタグを利用して、Halo特異的に吸着させるカラムに吸着させ、TEVプロテアーゼで切断することで、Halo結合タンパク質のみをクリアに溶出する方向へと変更してSERT/NCDN結合を再度確認する。
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Research Products
(4 results)