2016 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症の遺伝要因機構解明を目指した新たな病態認識論仮説の検証
Project/Area Number |
16H05378
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
岩田 仲生 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60312112)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症への遺伝要因の関与は明確だが、近年の全ゲノム解析はその遺伝要因機構の詳細を未だ明らかにできていない。全ゲノム解析が立脚するCommon Disease Common Variants (CD-CV) 仮説の限界を示すと同時に、次世代シーケンシング技術の到来を受けてCommon Disease Rare Variants (CD-RV) 仮説による研究が推進されている。しかしCD-CV とCD-RV を二項対立で捉えては、精神疾患の真の構築は解明できない。CV とRV との関連性を同時に解析する認識論でこそ、精神疾患の遺伝要因構築を正しく認識出来る。本提案ではこのCD-CV-RV 認識の基盤となる知見を創出することを目的とする。 本研究では、治療抵抗性統合失調症を対象に150名のエクソーム解析(WES)を行い、リスクとなりうるSNVの同定を目指した。しかし、膨大な候補SNVとなり、絞り込みが極めて困難であることが同時に判明した。また、WESや全ゲノムSNP関連解析をまとめていく中で、白人を中心とした既報で確実なリスクであるMHC領域(HLAを含む)における関連の傾向は認められなかった。そのため、稀なHLAアレルに関する関連解析を企図し、本領域の関連性の確度を検討している。 今後、CVであるSNP情報を加味したリスク推定を行うため、Riks Profile Score解析(統計的有意とされる5X10-8 以下の有意水準を用いるのではなく、あえて緩めの有意水準を用いて、すなわち検出力をあげてリスクを定義し(例えばP<0.5 など)、その「リスク」アレルが独立したデータセットにおいて統合失調症により多く存在するかを検討する推定論)を適宜行う予定としている。その際、RVを考慮することで本研究の目的を完遂したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
エクソーム解析(WES)は完了し、現在最終QC中であるが、候補SNVの絞り込みが困難である。理由はサンプル数不足によるものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
WESのサンプル数を拡大することは困難であるため、SNP情報を加味したリスク推定を急ぐ。すなわち、Riks Profile Score解析を急ぎ、CD-CV-RVの観点から解析を加えていく。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Risk factors and clinical characteristics of the depressive state induced by pegylated interferon therapy in patients with hepatitis C virus infection: A prospective study.2016
Author(s)
3.Kawase K, Kondo K, Saito T, Shimasaki A, Takahashi A, Kamatani Y, Kawabe N, Hashimoto S, Ikeda M, Kubo M, Yoshioka K, Iwata N
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Journal Title
Psychiatry Clin Neurosci
Volume: 70(11)
Pages: 489-97
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant