2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an automated mojule for microscale radiosynthesis of 18F-labeled probes
| Project/Area Number |
16H05383
|
|---|
| Research Institution | Tohoku University |
|---|
Principal Investigator |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 名誉教授 (60143038)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺崎 一典 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60285632)
石川 洋一 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (60361200)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | マイクロスケール合成 / ワンポット標識合成 / フッ素-18 / 自動合成 / 18F-標識プローブ / FET / 放射性薬剤 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
１．昨年度の成果であるKryptofix 222とKHCO3との錯体（K.222/KHCO3）のメタノール（MeOH）溶液と市販の使い捨て陰イオン交換樹脂（Waters Oasis MAX）を使用する新たな[18F]フッ素イオンの濃縮法を学術誌および国際学会で発表した。
２．この濃縮法に基づくマイクロスケール合成法を改良して、MeOH溶媒中に反応スケール量のジメチルスルフォキシド（DMSO）を添加することで、MeOH留去後に残る20μLまでのDMSO中に効率よくK.222/K[18F]Fを集めることを見出した。また、合成収率を大幅に改善することに成功し、代表的な5つの18F-標識プローブFallypride、FET、FES、FLT、FMISOのマイクロスケール合成に応用した。これらの世界初の実用的なマイクロスケール合成法の開発を学術誌に投稿し受理された。
３．マイクロスケールワンポット合成の自動化のため合成操作を見直し簡便化を進めた。DMSOを含むMeOH溶液を使用することでDMSO添加操作を不要にした。また18F-の溶出に使用するK.222/KHCO3は陽イオン交換カートリッジ（Waters Oasis MCX）で除去した後再び既知量を反応液に添加してその濃度を調整していたが、MCXによる除去を最適化することで、再添加を不要とした。
４．反応容器をガラス製のバイアルから使い捨てのポリプロピレン製マイクロバイアルに変更することで、利便性を高めるとともに反応収率を改善することにも成功した。また、このバイアルの特性により実用的な10μLスケール合成を実現した。
５．マイクロシリンジを用いる自動合成モジュールの試作を進め、本年度はほぼ全体の組み立てを完成させた。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
昨年度実現できなかった効率的な10μLスケールでの合成に関し、高沸点の溶媒であるDMSOをMeOHに添加することでMeOH留去による18F回収率の低下を防いで収率を改善する新しい方法を見出すとともに、使い捨てのポリプロピレン製マイクロバイアルの使用することで利便性と再現性を大幅に改善することに成功した。これは当初の目標を大幅に上回る成果であるとともにマイクロスケールでの実用的な合成法の世界初の開発に成功したと言える。また合成操作の簡便化にも成功し、来年度に完成する自動合成モジュールによるマイクロスケール合成の実現を確実にした。
|
| Strategy for Future Research Activity |
スケールダウンを一層進めて5μLまで減じた合成法の開発を進めるとともに、10μLスケール合成の有用性と汎用性を多くの18F-標識プローブ合成で実証する。
マイクロスケール標識合成に適する精製法として固相抽出カラムによる精製法の開発を進める。
自動合成モジュールを完成させ、いくつかの18F-標識プローブの自動合成に応用してその実用性を示す。
|
