2018 Fiscal Year Annual Research Report
健常人と認知症患者の遺伝要因、生活習慣と脳形態、アミロイドPET、認知力との相関
Project/Area Number |
16H05384
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀧 靖之 東北大学, スマート・エイジング学際重点研究センター, 教授 (10375115)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 認知症 / MRI / PET / 遺伝子 / 疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、H28年度、29年度横断研究で、引き続く2年は縦断研究で、それぞれ健常者50人、アルツハイマー病患者50人の脳MRI、Aβ及びタウ蛋白のPET画像、生活習慣、遺伝子、認知力データの収集を行う。遺伝子は唾液から非侵襲的に収集し、ApoE対立遺伝子、BDNFのSNPを解析対象とする。脳MRIは形態画像、血流画像、拡散テンソル画像を収集する。生活習慣データは、運動習慣、睡眠習慣、食習慣等の情報を質問紙にて収集する。認知力データは、ウェクスラー記憶検査等で収集する。全てデータベース化し、脳MRI、PET画像と生活習慣、遺伝要因、環境要因、認知力との相関を一般線型モデル、共分散分析等の多変量解析の手法にて横断、縦断的に解析し、併せてこれらの要因の健常群、認知症群への影響の差違を解析する。 平成30年度は、平成28、29年度と同様に被験者からデータ収集を行い、データを縦断化する。縦断研究では、横断研究と異なり、脳形態などの個人差を打ち消して、個人内での解析が可能になるため、より鋭敏に結果を検出することが可能になる。縦断研究を用いて、遺伝要因、生活習慣要因が脳形態、脳血流、アミロイドβやタウ蛋白の集積等にどのように影響するかを明らかにした。具体的には、運動習慣の量をセンシングで測定し、カロリー相当量を明らかにし、併せて骨粗鬆の程度と脳に関しての解析を行い、日本骨粗しょう症学会にて発表を行った。更に、アミロイドβの集積を、MRIのPADREという手法を用いることとして、データ収集を行い、アミロイドPETとの相関も解析を行った。これらから、特に生活習慣要因がどのように脳や認知力に影響するかを明らかすることで、認知症の一次予防を遂行するための基礎研究が進んだ。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ収集、解析はおおむね順調に進んでいる。また、当初計画はPETによるアミロイドβの集積を評価する予定であったが、一昨年度の報告書でも記載したように、サイクロトロンの運転が短期間になり、現実的な研究の遂行が難しいため昨年度は脳MRIを用いてPADREという手法を用いて、アミロイドβの集積を評価することで、遅れを取り戻した。現状大きな問題は発生していない。、
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のように、アミロイドβの集積をMRIのPADREで行うことで更に研究の推進が可能になると考えられる。また、骨粗しょう症関係のデータも有用であることが見えてきたので、これらもデータに組み込み、更に研究を推進させる。
|
Research Products
(2 results)