2017 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of abnormal cellular signals and clinical targets rerated to the various pathology of neurofibromatosis
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16H05440
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
荒木 令江 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (80253722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尹 浩信 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (20282634)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30359963)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経線維腫症 / NF1 / NF2 / 融合プロテオミクス / シグナルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
神経線維腫症(neurofibromatosis:NF)は、皮下の多発性神経線維腫に加え線維肉腫、グリオーマなどの悪性腫瘍を伴う1型(NF1)、及び類似した症状に加え中枢神経系腫瘍を高頻度に伴う2型(NF2)からなる治療困難な遺伝性疾患である。本研究では、本疾患の関わる多彩な腫瘍病態の発生機構の解明と治療標的の開発を目的として、それぞれの原因遺伝子NF1/NF2の欠損変異によって異常化する細胞内特異的病態シグナルの詳細を、明らかにする。これまでに、NF1, NF2遺伝子ノックアウト(KO)細胞・Si/ShRNA-ノックダウン(KD)細胞、患者由来NF細胞・NF-iPS細胞の樹立を各種検討し、ストックを順次行っている。 NF1, NF2各遺伝子KD細胞における病態に関連した細胞機能変化に連動するシグナルネットワークの抽出(プロテオーム-トランスクリプトーム-メタボローム融合解析)と、標的分子群の検索・同定は質量分析により順次行っている。 NF1, NF2蛋白質の特異的会合細胞内分子群の単離と、これらの相互作用による活性制御機構解析を同時進行にて行い、多数の候補タンパク質が同定した。特にNF1欠損細胞にて、病態が悪性化に進展するとともに発現が更新する分子として同定したTCTPとその結合タンパク質群に関しては、腫瘍細胞内において翻訳制御がこれらのTCTP複合体を介して行われていること、これらの活性化がNF1におけるタンパク質合成系の更新に繋がっていること、これを特異的に阻害することによって、NF1腫瘍の抑制が可能であることを証明した。これらの発見を論文としてまとめるとともに、国際学会にて報告をした。TCTPの関わる翻訳推進ネットワークは、NF腫瘍病態における細胞内シグナル異常を補正する薬剤や簡便な診断指標などの臨床応用開発に際して重要な標的となる可能性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
病態細胞の樹立については順調に推進している。質量分析装置による分子解析については当初は故障等による遅延があったが、修理後順調にデータ取得ができている。これによって、ほぼ再計画した予定通りに分子・ネットワーク解析による病態関連細胞内シグナル分子群の候補推定は推進し、これら候補分子の細胞生物学的/生化学的な検証を行うことができている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き病態モデル細胞およびiPS細胞の樹立と性状解析を行うとともに、それらの大規模分子群融合オミクス解析を継続的に行い、ネットワークの抽出を行っていく。また、NF1, NF2蛋白質の特異的会合細胞内分子群の単離・同定結果と融合オミクスデータの統合マイニングを行い、これらの相互作用による活性制御機構解析を詳細に行う。さらに、これら同定分子群の細胞生物学的検証実験、およびNF腫瘍組織、NF病態モデル細胞による、発現・局在・動態・性状変化解析、およびNF1/NF2遺伝子変異欠損によって活性化するシグナル分子群の治療標的・マーカーとしての可能性の検討を推進する。
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Research Products
(45 results)
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[Journal Article] The jPOST environment: an integrated proteomics data repository and database2019
Author(s)
Moriya Y, Kawano S, Okuda S, Watanabe Y, Matsumoto M, Takami T, Kobayashi D, Yamanouchi Y, Araki N, Yoshizawa AC, Tabata T, Iwasaki M, Sugiyama N, Tanaka S, Goto S*, Ishihama Y
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Journal Title
Nucl Acids Res
Volume: 47(D1)
Pages: 1218-1224
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] SIRT7 has a critical role in bone formation by regulating lysine acylation of SP7/Osterix2018
Author(s)
Fukuda M, Yoshizawa T, Karim Md., Sobuz S, KorogiW, Kobayashi D, Okanishi H, Tasaki M, Sawa T, Sato Y, Chirifu M, Masuda T, Nakamura T, Tanoue H, Nakashima K, Kobashigawa Y, Morioka H, Bober E, Ohtsuki S, Yamagata Y, Ando Y, Oike Y, Araki N, Takeda S, Mizuta H, Yamagata K
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 9
Pages: 2833 (14 pages)
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Integrated proteo-glyco-genomics identified the potential clinical target of cancer stem cells2017
Author(s)
Norie Araki, Akiko Niibori-Nambu, Atit Silsirivanit, Yoshimune, Yamasaki, Hiroki Okanishi, Daiki Kobayashi, Kiyohiko Angata, Atsushi Kuno, Hisashi Narimatsu.
Organizer
The 15th Inthernational Human Proteome Organization Congress (HUPO201 Dublin, IRELAND
Int'l Joint Research / Invited
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[Presentation] データベース検索エンジンを用いたタンパク質同定における特異性向上2017
Author(s)
吉沢明康, 田畑剛, 守屋勇樹, 河野信, 奥田修二郎, 渡辺由, 山本格, 松本雅記, 高見知代, 小林大樹, 荒木令江, 杉山直幸, 田中聡, 五斗進, 石濱泰 質量分析総合討論会
Organizer
質量分析総合討論会2017
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[Presentation] jPOST:プロテオーム統合データベースプロジェクト2017
Author(s)
奥田修二郎, 渡辺由, 守屋勇樹, 河野信, 山本格, 松本雅記, 高見知代, 小林大樹, 荒木令江, 吉沢明康, 田畑剛, 杉山直幸, 田中聡, 五斗進, 石濱泰
Organizer
第90回日本生化学会大会
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[Presentation] jPOST:プロテオームデータベースの開発2017
Author(s)
守屋勇樹, 河野信, 奥田修二郎, 渡辺由, 山本格, 松本雅記, 高見知代, 小林大樹, 荒木令江, 吉沢明康, 田畑剛, 杉山直幸, 田中聡, 五斗進, 石濱泰
Organizer
日本生化学会大会
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[Presentation] jPOST:プロテオーム統合データベースの開発2017
Author(s)
守屋勇樹, 河野信, 奥田修二郎, 渡辺由, 山本格, 松本雅記, 高見知代, 小林大樹, 荒木令江, 吉沢明康, 田畑剛, 杉山直幸, 田中聡, 五斗進, 石澤泰
Organizer
日本プロテオーム学会
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[Presentation] jPOST 同定結果のFDR改善を目指す再解析プロトコルの開発2017
Author(s)
吉沢 明康, 田畑 剛, 守屋 勇樹, 河野 信, 奥田 修二郎, 渡辺 由, 山本 格, 松本 雅記, 高見 知代, 小林 大樹, 荒木 令江, 杉山 直幸, 田中 聡, 五斗 進, 石濱 泰
Organizer
生命科学系学会合同年次大会生化学会2017
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