2016 Fiscal Year Annual Research Report
iPS細胞に対してバイオリアクターを用いた新しい硝子様軟骨再生法の開発
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16H05452
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
久保 俊一 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20178031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50347449)
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
井上 裕章 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60457968)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 軟骨分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の当初の目標としては軟骨細胞に様々な物理刺激(静水圧、温熱、低酸素など)を加えることで細胞からどのような遺伝子が発現し、どういった環境が、軟骨細胞にとって都合のよい環境であるかを解析することとした。 ラットの関節軟骨において静水圧を加えることで、その圧の強度によりanabolic factorが上昇したり、catabolic factorが上昇したりすることを確認した。また、軟骨細胞を酸素濃度設定(1%,5%,10%,20%)を行い,同様 に 12,24,48,72 時間,低酸素負荷培養を行った。その結果、一定の低酸素環境下で長期培養することでanabolic factorが上昇することを確認した。これにより、ラットの軟骨細胞において適切な静水圧や酸素濃度培養条件を確認することができた。温熱刺激に関しては高温での培養により、ストレス応答タンパクであるHSP70の遺伝子発現が上昇していた。しかし、高温にすることでcell viabilityの低下を認めた。 また、当初の予定に並行して軟骨組織の作成法について検討した。従来報告されているiPS細胞から軟骨塊を作成する方法を再現することができた。その方法の経過の中で適切な時期に低酸素刺激を加えることで分化途中でのmーRNAレベルで軟骨分化を促進する条件を見出した。これにより、酸素濃度を調整することで軟骨の分化機構を調整できる可能性を見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟骨組織への分化方法を確立できており、おおむね順調な進展と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後酸素濃度を調整し、より軟骨分化を促進する環境を確認する。また、その他のバイオリアクター(mechanical stres、温熱刺激など)を加えることでリコンビナントタンパクの使用量を減らせるかの検討を行う。
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