2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of articular cartilage destruction in early-stage osteoarthritis and preclinical study on the development of diagnosis and treatment for early-stage osteoarthritis.
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16H05454
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岡田 保典 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員教授 (00115221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 旨章 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70365576)
平澤 恵理 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50245718)
下田 将之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70383734)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ADAMTS / HYBID / 変形性関節症 / 関節軟骨破壊機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
①ADAMTS4/5(a disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs 4 and 5)活性阻害性ヒト型抗体の開発:ヒト型抗体ライブラリーから、ADAMTS4とADAMTS5の両方に反応しアグリカン分解活性を阻害する抗体を得た。本抗体はADAMTS4活性を完全に阻害し、ADAMTS5活性を部分的に阻害し、これら酵素に対するKD 値は11.7 nMと1.46 nMであった。本抗体はIL-1刺激した変形性関節症関節軟骨細胞由来アグリカナーゼ活性を濃度依存的に阻害し、EC50は5.4 nMであった。本抗体は変形性関節症関節軟骨破壊抑制剤として有用と期待される。②HYBID(Hyaluronan binding protein involved in HA depolymerization)遺伝子欠損マウスの開発と表現系解析:ヒアルロン酸分解に中心的な働きをするHYBID遺伝子の生体内での機能解析のため、Cre/loxPシステムを用いて同遺伝子を全身で欠損するマウスを作製した。野生型マウスではHYBID遺伝子は長管骨と脳で高発現しており、骨端板の軟骨―骨結合部位の肥大軟骨細胞で発現していた。HYBID欠損マウスでは、四肢の長管骨に短縮がみられ、生後1-4週の時点において骨端板の肥大軟骨層の延長、同部における高分子ヒアルロン酸の貯留、肥大軟骨層の軟骨―骨結合部位での血管新生と破骨細胞数の減少が認められた。In vitroの実験により、高分子ヒアルロン酸はVEGF刺激された血管内皮細胞の増殖とチューブ形成を抑制することを証明した。これらのデータから、HYBIDは発育時に骨端部肥大軟骨細胞で発現し、高分子ヒアルロン酸分解により血管新生と破骨細胞動員を促進して内軟骨性骨化に働いていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度交付申請で提案した研究課題のうち、①ADAMTS4/5アグリカナーゼ活性阻害性ヒト型抗体の開発、②HYBID遺伝子ノックアウトマウスの開発と表現系解析、の2研究課題については論文として発表することができ、全体としての研究進捗状況は順調である。OA関節軟骨におけるHYBIDの発現と機能解析研究については、一部を残して大部分の実験が終了しており、平成29年度には論文として発表する予定である。また、早期OAの画像診断法開発研究については、第一報の論文を投稿しており、現在論文のリバイス中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究においては、早期OAの病態解明と早期OAの診断・治療法開発を目的としている。早期OA病態解析研究に関しては、OA関節軟骨破壊の早期病態の中心をなすヒアルロン酸-アグリカンネットワーク分解に着目して、特に最近我々が見出したHYBIDのヒアルロン酸分解における役割解析を飛躍的に推進するともに、アグリカン分解酵素であるADAMTS4/5の役割解析を今後も進める。また、早期膝関節OAの画像による新規診断法の開発研究を推進する。
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[Journal Article] Osteoarthritis as a cause of locomotive syndrome: Its influence on functional mobility and activities of daily living.2016
Author(s)
Ishijima M., Kaneko H., Hada S., Kinoshita M., Sadatsuki R., Liu L., Shimura Y., Arita H., Shiozawa J., Yusup A., Futami I., Sakamoto Y., Ishibashi M., Machida S., Naito H., Arikawa-Hirasawa E., Hamada C., Saita Y., Takazawa Y., Ikeda H., Okada Y. and Kaneko K
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Journal Title
Clinic Rev Bone Miner Metab
Volume: 14
Pages: 77-104
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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