2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H05458
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤野 裕士 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50252672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 昭則 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (00324856)
井口 直也 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (00372623)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 急性肺傷害 / 人工呼吸 / 経肺圧 / 食道内圧 / 換気モード |
Outline of Annual Research Achievements |
急性肺傷害の人工呼吸にあたっては従量式換気モードを選択することで経肺圧を一定に保つことができるため肺傷害進展予防に有利と考えられてきた。しかし自発呼吸共存時には経肺圧算出の元である食道内圧が肺全体を反映していない可能性があるとの仮説の元に実験を行った。肺傷害ウサギモデルを用いてdynamic CTによる肺局所換気分布評価を行った。自発呼吸存在下と筋弛緩状態で従圧換気と従量換気を比較した。自発呼吸存在下では従量換気で経肺圧が増加したのに対して従量換気では一定であった。しかし換気局所分布をみると従量換気では肺背側の換気が筋弛緩した場合に比較して自発呼吸により約2倍に増加した。食道内圧から算出した経肺圧は自発呼吸下でも筋弛緩状態でも同一であったが、胸腔内背側で胸膜圧を計測した所、横隔膜による呼吸努力により局所経肺圧が大きく増加していることが判明した。食道内圧による経肺圧は筋弛緩時には過大評価を、自発呼吸下では過小評価する可能性がある。 動物実験と平行して食道内圧による経肺圧による呼吸管理を行う際に病変は肺内とは限らない。肺外の病変でも経肺圧が適用可能であることを示すため、頭低位腹腔鏡手術患者で評価も行った。気腹により肺が圧迫されるため肺には病変がないにも関わらずPEEPを用いないとガス交換が障害される可能性のある病態である。気腹開始後にPEEPを0から2cmH2Oずつ10cmH2Oまで上げて経肺圧と血液ガス、肺/胸郭圧容量曲線を計測した。経肺PEEPが陽圧になるPEEP(最適PEEP)は患者毎にばらつきはあるものの6から10cmH2Oであり、最適PEEPの評価に用いることができると考えられる。肺/胸郭圧容量曲線では胸郭の変化のみで肺には変化がないことも確認できている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来の計画では、従量換気における換気不同調と人工呼吸関連肺傷害が相関することを示す予定であったが、まず不同調の存在で局所経肺圧が変化することと、局所換気分布が変化することを示すこととした。更に人肺傷害の複雑な病態に対して経肺圧計測による評価が妥当であることを正常肺患者で検討を行ってから次の段階に進むことになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後自発呼吸患者の不同調がPEEPにより変化するかどうかを検討する。次に最適PEEPに設定した状態で吸気流速を変化させ不同調による呼吸仕事量増加と局所換気分布変化が相関することを証明する。 研究協力施設であるメルボルン大学での共同研究者が局所腎血流評価実験系を確立したため、人工呼吸関連肺傷害と局所腎血流の関係も評価可能となる見込みである。
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Research Products
(2 results)