2017 Fiscal Year Annual Research Report
腎細胞癌に対するHLA-A2拘束性マルチペプチドワクチンの開発
Project/Area Number |
16H05466
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
植村 天受 近畿大学, 医学部, 教授 (90213397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 一宏 近畿大学, 医学部, 教授 (20283757)
デベラスコ マルコ 近畿大学, 医学部, 助教 (20449838)
原田 守 島根大学, 医学部, 教授 (50260716)
南 高文 近畿大学, 医学部, 講師 (70340809)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ペプチドワクチン / HLA-A2 / 腎細胞癌 / 免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の本研究に関する一連の取り組みは、腎細胞癌に関してはCA9およびVEGFR1ワクチンを用いた臨床研究を行い、その安全性、有用性について報告してきた。2013年度より、腎癌に対するマルチペプチドワクチンの開発に着手し(基盤研究B:25293336)、EPOR、PDL-1についてはHLA-A24拘束性のペプチドワクチンを開発し、特許申請を行った。現在、HLA-A24陽性患者に対して、CA9/EGFR1,-2/EPOR/PDL-1/HIF-1のマルチペプチドワクチンによる臨床研究を計画中である。今回の研究目的は、腎細胞癌に対して日本人で2番目に多いHLA-A2拘束性ペプチドワクチンの開発にある。今回の研究計画は、以前に開発したHLA-A24拘束性ワクチンと同じ手法で、HLA-A2拘束性のペプチドワクチン開発を同じ5つの標的分子(CA9、VEGFR、EPOR、PDL1、HIF1)をターゲットにして、epitopeを同定することである。すでに、近畿大学医学部倫理委員会承認のもとに腎細胞癌患者に十分なインホームドコンセントの上、本研究に協力同意を得たHLA-A2陽性担癌患者から随時全血採血を行い、末梢血単核球細胞(PBMC)を採取して‐80℃に冷凍保存している。今年度(最終年)は、昨年度に引き続き、これまでの基礎的研究からある程度の種類に絞り込んだHLA-A2拘束性ペプチド(CA9、VEGFR、EPOR、PDL1、HIF1)の中から、ワクチンとして有用と思われる候補を絞り込むため、末梢血単核球細胞からのペプチド特異的CTLの誘導能を評価する。2013年度の上記基盤研究(B)で、シークエンスを記述してしまい、特許を申請後に断念した経緯から、途中経過は報告できない。現在、各ペプチドの候補順位をつけ、順次CTLアッセイにて、最終のワクチン候補の同定を実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
HLA-A2陽性の転移性腎がん患者が少なく、これまでに保存してきた末梢血からのPBMCが底をついてきたため、一旦、インターフェロンγリリースアッセイをストップし、現在、HLA-A陽性の腎がん患者さんから、末梢血を採取させていただき、PBMCをできるだけ多く、液体窒素内に保存しているところである。少なくとも、今後15人分のPBMCが必要であり、同一患者さんばかりに協力をお願いできないことから、スクリーニングCTLアッセイを開始するのが遅れる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでは、転移性腎細胞癌患者さんに限定して、患者負担を少しでも軽減させるために腎摘除術の術中に採血してきたが、十分なPBMCが確保できないと思われる。そのため、転移のない新たな患者さんにお願いしてHLAタイピングをスクリーニングし、HLA-A2陽性であれば、末梢血採血について研究協力を説明し協力いただく。それにより、今回のCTLアッセイをスムーズに施行できる十分なPBMCを確保する予定である。
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