2016 Fiscal Year Annual Research Report
増殖制限型アデノウイルスベクターを用いた頭頸部癌に対する新たな治療法の開発
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16H05481
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
丹生 健一 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20251283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大月 直樹 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (40343264)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 頭頸部癌 / MIDKINE / 増殖制限型アデノウイルス / EGFR / siRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
最近、頭頸部癌に対してさまざまな分子標的薬が登場してきたが、これまでの化学療法薬にはない全身的な副作用が問題となっており、腫瘍特異的に効果を発揮する「より安全で効果的な治療薬」の登場が望まれる。 研究1:腫瘍増殖因子に対するsiRNAを組み込んだ腫瘍特異的増殖制限型アデノウイルスベクターの作成 MIDKINE は Heparin― binding growth factor の一種で多くの癌で高発現しているが、正常組織では発現がみられない。この特性を活かし、今回われわれは MIDKINE プロモーターとウイルスの増殖に必要な E1A・E1B 遺伝子を組み込んだ制限増殖型アデノウイルスを作成し、さらにこのウイルスに頭頸部扁平上皮癌に高発現している上皮成長因子受容体 EGFRに対する siRNAの遺伝子を組み込んだ。MIDKINEを高発現している頭頸部扁平上皮癌培養細胞を用いて、その抗腫瘍効果をin vitroで検討した。本ウイルスがMIDKIE を高発現する腫瘍細胞でのみ特異的に増殖して腫瘍を殺傷するとともに、EGFRの発現を抑制することにより腫瘍の増殖を抑制する能力を併せ持つことをin vitroで確認した。本ウイルスは患者の体内にて腫瘍細胞でのみ特異的に増殖して腫瘍溶解性に腫瘍細胞を殺傷するとともに、EGFRの発現を抑制することにより腫瘍の増殖や転移を抑制することが期待される。 研究2:腫瘍特異的プロモータの探索 腫瘍特異的増殖制限型アデノウイルスベクターに最適なプロモーターの探索を目的とし、倫理委員会の承認を得て、頭頸部癌の手術症例を対象にマイクロRNAの収集を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MIDKINEプロモーターとウイルスの増殖に必要な E1A・E1B 遺伝子を組み込んだ制限増殖型アデノウイルスを作成し、さらにこのウイルスに頭頸部扁平上皮癌に高発現している上皮成長因子受容体 EGFR に対する siRNA の遺伝子を 組み込んだ。 これまでの研究により、MIDKINEを高発現する腫瘍細胞にて特異的に増殖し腫瘍溶解性に腫瘍細胞を殺傷するとともに、EGFRの発現を抑制するウイルスベクターの作成に成功した。新たなプロモーターの探索については、現在、倫理委員会の承認を得て、頭頸部癌の手術症例を対象にマイクロRNAの収集を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
本ウイルスがMIDKINEを高発現する腫瘍細胞にて特異的に増殖し腫瘍溶解性に腫瘍細胞を殺傷するとともに、EGFRの発現を抑制することにより腫瘍の増殖や転移を抑制することをマウス頭頸部癌モデルを用いて、in vivoレベルで、その効果を確認する予定である。新たなプロモーターの探索については、更に症例を蓄積しマイクロRNAの解析を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)