2019 Fiscal Year Annual Research Report
多能性幹細胞を用いた内耳有毛細胞の創生から細胞移植治療へ
Project/Area Number |
16H05482
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
吉川 正英 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (50230701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 糺 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30343255)
王寺 幸輝 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50343421)
和中 明生 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90210989)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 内耳 / 有毛細胞 / 難聴疾患 / 幹細胞 / ES細胞 / マウス / 転写因子 / 細胞移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
難聴の原因は、内耳有毛細胞の損傷・消失とされている。本研究計画では、多能性幹細胞を用いて有毛細胞を創生し、内耳疾患治療の基礎的研究を目的とした。本年度(令和元年度)は、分化誘導メカニズムの解明と細胞移植におけるホスト(マウス)組織・細胞との相互作用解析を中心に、以下の項目を実施した。 まず、前年度(平成30年度)までに行った多能性幹細胞(ES細胞)から有毛細胞への分化誘導法を発展させ、分化誘導因子の特定を図った。最初に、内耳由来細胞(蝸牛、前庭由来)の培養上清を用いた方法により有毛細胞特異的発現を誘導し、蝸牛有毛細胞(C-HC)あるいは前庭有毛細胞(V-HC)へ特異的に分化誘導可能な方法を開発した。次に、内耳由来細胞を用いることでC-HCあるいはV-HCへの分化を制御可能とする因子を特定するため、蝸牛、前庭由来の細胞を単離し、RNA-seqによる分泌系タンパク質の発現に着目し、遺伝子解析を行った。その結果、蝸牛・前庭由来細胞で優位に高発現する因子を、それぞれ20種程度特定するに至り(UniProtデータバンクで登録されているタンパク質に限定)、その結果、これらの因子による分化誘導制御の可能性が示唆された。 また、マウス内耳由来単離蝸牛を用いた培養実験と、その詳細な解析を行った。ES細胞から分化誘導させたC-HCを単離蝸牛と共に培養した結果、細胞の生着や蝸牛組織とのコンタクト(聴神経細胞などと)を認めた。カナマイシン処理した単離蝸牛との共培養では、生着細胞数の増加を認めたため、損傷蝸牛における細胞移植では生着率を亢進させることが明らかとなった。現在、生着したC-HCの構造学的、機能的解析を行っており、V-HCを用いた前庭系への培養実験、および難聴モデルマウスへの移植実験も同時に進めているところである。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] Effectiveness of cross-linked gelatin glue in canine lung surgery models2019
Author(s)
Kawai No, Suzuki S, Yamashita K, Niwa K, Tojo T, Sawabata N, Nakai T, Ouji Y, Yoshikawa M, Ikada Y, Taniguchi S
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Journal Title
J Nara Med Assoc
Volume: 70
Pages: 35-43
Peer Reviewed
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[Journal Article] タイ帰国後に無鉤条虫を認めた1例2019
Author(s)
平位暢康, 三須政康, 王寺幸輝,笠松丈人, 吉原真吾, 古川龍太郎, 西村知子, 奥田菜緒, 今北菜津子, 福盛達也, 小川拓, 笠原敬, 佐藤公俊, 前田光一, 三笠桂一, 吉川正英, 山崎浩, 森嶋康之
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Journal Title
Clinical Parasitolog
Volume: 30
Pages: 43-45
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[Presentation] 便検査を繰り返し施行することで診断に至ったランブル鞭毛虫症の一例2020
Author(s)
村上紘一, 久保貴裕, 中谷敏也, 加知宏規, 尾山雅文, 元川雄貴, 森仁志, 芝本彰彦, 相原洋祐, 永松晋作, 上嶋昌和, 松尾英城, 菊池英亮, 吉川正英
Organizer
日本消化器病学会近畿支部例会
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