2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of oral microbiome formation and effect on host immunity
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16H05512
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小松澤 均 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90253088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 美樹 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (20527048)
大貝 悠一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40511259)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔細菌 / 抗菌性ペプチド / バクテリオシン / ミュータンスレンサ球菌 / 黄色ブドウ球菌 / マイクロバイオーム / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、口腔マイクロバイオームの多様性および形成機序を証明するための基盤研究および口腔マイクロバイオームによる生体に及ぼす影響を検証することである。そのため、本研究期間内に、①100名の口腔から各種口腔細菌の分離同定によるマイクロバイオームライブラリーの確立、②各種口腔分離細菌の性状解析、③ 各マイクロバイオームの生体への影響の検証を検証する予定であるが、平成28年度は口腔細菌の分離及び分離菌の性状解析を中心に行った。主な研究実績は以下の通りである。 1)口腔からのS. mutans、S. sobrinusおよびブドウ球菌の分離:270名の被験者より、菌の分離を行った。S. mutansは138株、S.sobrimus6株、S.epiderimidis237株、S. aureus150株を分離した。また、数名の被験者からは口腔レンサ球菌を複数菌種分離した。 2)唾液サンプルの採取:200名からの刺激唾液を回収し、保存した。一部、予備実験として唾液からDNAの抽出を行い、定量性PCRで口腔レンサ球菌の同定、構成比率を算出した。 3)分離菌の性状解析:分離したS. mutansについてバクテリオシンをコードする13の遺伝子の保有状況について検討した。また、S. mutansの産生するバクテリオシンの他細菌種に対する抗菌効果をdirect assay法により検討した。S. aureusについてもバクテリオシン感受性、過酸化水素感受性について検討した。 4)共培養試験:数種の口腔レンサ球菌を用いて共培養試験の検討を開始した。本年度ではスクロース存在下での複数種の口腔レンサ球菌培養時の構成比率を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに、本年度は口腔細菌の分離・性状解析を順調に行っている。本年度はレンサ球菌、ブドウ球菌を中心に分離をしており、当初、100名からの分離を予定していたが、分離率の問題もあり、現時点で270名からの分離を行っている。 分離した細菌の性状解析も遺伝子解析、抗菌活性の検討など順調に進んでいる。 メタゲノム解析用の唾液の収集も順調であり200名からすでに回収しており、現在DNA抽出を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の計画通りに進めていく予定である。 1)口腔細菌の分離および性状解析:平成28年度に引き続きさらに菌株を分離する。また、必要に応じて他菌種の分離・性状解析も進めていく。 2)メタゲノム解析:唾液サンプルからDNAを回収後、メタゲノム解析を行う。メタゲノム解析は九州大学との共同研究により行う。得られた結果とS. mutansのバクテリオシン産生性、黄色ブドウ球菌の口腔内での有無などとの関連性について検討を行う。 3)共培養試験:昨年度に引き続き検討を行い、最適な共培養の条件を確立する。確立した後は、複数の細菌種での共培養試験、バクテリオシン産生、非産生株を用いた構成細菌比率への影響等を検討する。さらに、単培養時に比較して共培養時の病原性因子の発現性等についても検討を行う。 4)唾液中の抗菌性因子の解析:唾液中に含まれる抗菌性ペプチド、ラクトフェリン等の抗菌性因子について定量解析を行い、メタゲノム解析などの結果との相関性を検討する。
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