2017 Fiscal Year Annual Research Report
選択的ラジカル応用によるインプラント周囲炎に対する包括的リカバリーシステムの構築
Project/Area Number |
16H05520
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (50292222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 啓一 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30178644)
金子 俊郎 東北大学, 工学研究科, 教授 (30312599)
川下 将一 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (70314234)
目代 貴之 東北大学, 歯学研究科, 教育研究支援者 (30466544)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 歯学 / 歯科インプラント / バイオマテリアル / 酸化チタン / ラジカル |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントは予知性の高い治療法として広く普及しているが、一方で、術後感染やインプラント周囲炎による歯槽骨吸収により、インプラント体の撤去を余儀なくされたり、インプラント体の露出による機能的、審美的な障害が問題となっている。しかしながら、現在のところ、インプラント周囲炎に対する根本的な解決方法はなく、臨床現場では喫緊の課題となっている。そこで本研究では、最新の工学技術により、部位や時期を選択してラジカルを応用することで、インプラント周囲炎に対する全く新しい包括的インプラントリカバリーシステムを構築することを目的とした。 当該年度の研究実績としては、in vitro、in vivoにおけるインプラント周囲炎モデルを作製し、「殺菌、不良組織除去」に関し、前年度に開発された低温(40℃程度)プラズマジェット照射装置を用いて、最適な再活性化条件の検討を行った。 in vitro系での炎症環境モデルにおける再活性化に関する実験では、ラット上皮系細胞株をマクロファージ系細胞と共培養し、LPS(Lipopolysaccharide)を加えることにより炎症環境を再現することに成功した。さらに、再活性化処理による滅菌・不良組織除去効果の評価を行い、再活性化処理の最適条件を明らかにした。また、in vivo系での炎症環境モデルにおける再活性化に関する実験では、ラット頸骨に埋入したインプラント頚部に、LPS含有綿糸を結びつけることで、炎症に伴う骨吸収モデルを作製し、再活性化処理の最適条件に関する検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度には、(1)in vitro系での炎症環境モデルにおける再活性化、および(2)in vivo系での炎症環境モデルにおける再活性化を当初研究計画としていた。当該年度に、これら2項目の研究を全て実施していることから、当初研究計画の通りに順調に進展していると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度には、当初研究計画の通り、年度内達成目標として、in vitro系、in vivo系での再活性化による組織再生の評価までを完了することを目標とする。具体的には、(1)in vitro系での再活性化による細胞活性評価、(2)in vivo系での再活性化による組織再生評価、および(3)口腔内でのインプラントリカバリーシステムの構築に関する実験を実施する予定である。
|