2017 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of control mechanism on stem cell differentiation for tooth regeneration
Project/Area Number |
16H05532
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
川崎 真依子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40584587)
井上 佳世子 (野澤佳世子) 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (90303130)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 歯の再生 / 幹細胞 / 分化誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では歯と毛髪が同一部位に同時に形成されるIkkβ改変マウスを解析し、幹細胞から歯や毛髪への分岐ポイントにおける分化誘導メカニズムならびに幹細胞の機能を明らかにすることを目的とする。幹細胞の可塑性、機能特性を明らかにすることで、幹細胞の歯の再生療法への応用の可能性を追求する。本年度は、幹細胞遺伝子の変動などの検索を行ったが、実験に必要なNF-kBシグナル活性の変動の把握が免疫染色などに利用できるような適切な抗体がなく、他の方法を選択する必要が出てきた。セルソーティングによるNF-kBシグナル活性細胞の集積も必要であるため、よりNF-kBシグナル活性を簡便に可視化する方法が必要となる。そこで、NF-kBシグナル活性をGFPで確認できるレポーターマウスを作成した。作成したNF-kBシグナルレポーターマウスを観察したところ、生後すぐに、爪、歯胚、毛包に限局した強いGFPの発現を認め、その後全身の皮膚などにその発現が広がることを確認した。セルソーティングなどでGFP発現細胞を集積し、GFPの発現がNF-kBシグナル活性と一致することも確認した。毛髪などでNF-kBシグナルと関連性を有するEdaやEdarは、その適切な量(Fine tuning)により、毛髪などの形成を調節することが知られている。歯の幹細胞においてもNF-kBシグナルのFine tuningを必要とするか検索するために、Ikkβ-K5マウスのようなNF-kBの過剰ではなく、NF-kBが減少しているマウスを作成し検索したところ、6ヶ月齢を超えてもIkkβ-K5マウスで認められるような表現形を示すマウスは確認できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究目的のためには、Ikkβ-K5マウスにおけるNF-kBシグナルの活性の可視化が必須となる。そのためにIkkβ-K5マウスとNF-kBシグナルレポーターマウスのcompoundマウスの作成が必要となることに加え、前年度の結果から6ヶ月齢以降のマウスであることが表現形の観察に欠かせないこともあり、6ヶ月齢以降のIkkβ-K5;NF-kBシグナルレポーターcompoundマウスの作成に時間を要し、予定の実験を全て遂行することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したIkkβ-K5;NF-kBシグナルレポーターcompoundマウスが6ヶ月齢となり、今後の実験に十分な量が確保できた。今後は予定通り、表現形の有無とNF-kBシグナル活性の変動との関連性、Ikkβ-K5マウスの幹細胞ニッチにおけるNF-kBシグナル活性の変動と各種幹細胞マーカー遺伝子発現の変動との相関関係、NF-kBシグナル活性の変動と各シグナル経路の変化との連動性を検索する。また、Ikkβ-K5とNF-kBが減弱したマウスとのcompoundマウスを作成し、Ikkβ-K5マウスにおける表現形がIKKβのNF-kB非依存的な機能によるものか検索する。さらに、各種マウスの毛包を用いた実験も行う。
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