2017 Fiscal Year Annual Research Report
p53遺伝子欠損コンソミックマウスを用いた口蓋裂発症メカニズム解析
Project/Area Number |
16H05539
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高木 律男 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20143795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
児玉 泰光 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90419276)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口蓋裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
CL/Fr系統p53遺伝子欠損コンジェニックマウス(CL/Fr-p53KO)の放射線照射実験から、p53遺伝子と口唇口蓋裂発症の関連性は確認しているものの、p53遺伝子の機能喪失(増強)がCL/Fr系統に限られている可能性も否めない。そこで、他の系統マウスでのp53遺伝子欠損コンジェニックマウスを用い、各系統における疾患感受性を検討する。p53遺伝子の機能解析には、p53遺伝子の口唇形成および口蓋形成における正確な発現時期と発現領域の把握が、ターゲット時期や部位の決定には必要である。そこで、p53遺伝子欠損コンジェニックマウスの解析に先立ち、前年度はp53の口唇形成および口蓋形成における発現を、組織切片でのin situ hybridizationにて確認し、それぞれの口唇形成および口蓋形成におけるp53の詳細な発現様式が確認できた。今年度は、各系統マウスでのp53遺伝子欠損コンジェニックマウスを用いた口唇口蓋裂の確認に先立ち、そのコントロールとなるCL/Fr-p53KOマウスの解析を行い、口唇口蓋裂の頻度などのデータを収集できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各系統マウスでのp53遺伝子欠損コンジェニックマウスを用いた口唇口蓋裂の確認に先立ち、そのコントロールとなるCL/Fr-p53KOマウスの解析を行い、口唇口蓋裂の頻度などのデータを収集できたものの、CL/Frマウスの繁殖力が弱いこと、多くのCL-Fr母親マウスの飼育放棄や食殺行為のため、予定の匹数を確保できず、実験の進捗に大きく影響した。一時的に繁殖力が回復した時期もあったものの、安定しなかった。一方、凍結胚の利用による胚獲得が有効な手段であるが、保管する凍結受精胚の数量にも限りがあるため、通常の自然繁殖に、凍結胚の利用による胚獲得を併用することにより獲得匹数は改善しており、今後は予定通りの研究遂行が可能と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
各系統p53マウスの作成と、それらのマウスへの放射線照射実験からp53遺伝子の口蓋形成における機能解明を行う。各マウスにおけるShh, Wnt, Tgf, Bmpなどのシグナル活性、口蓋形成および口唇形成関連遺伝子の発現を、in situ hybridization、免疫染色、qPCRなどで確認していく。一方で、TUNEL法にてアポトーシスの、Brd-U法にて細胞増殖の把握も行う。
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