2016 Fiscal Year Annual Research Report
分子系統解析に基づく生理活性脂質関連GPCRを標的とする骨吸収性疾患治療薬の探索
Project/Area Number |
16H05545
|
Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
引地 尚子 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (50292876)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40188793)
西原 達次 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80192251)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 口腔外科学一般 / 生理活性脂質 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、受容体分子系統解析により、骨髄炎などの骨吸収性疾患においてほとんど注目されていなかった生理活性脂質の内、血小板活性化因子(PAF)やロイコトリエンB4(LTB4)が骨吸収に重要で、その受容体(GPCR)抑制が治療上有用であることを見いだした。この分子系統解析により、近傍GPCRの内proton sensing receptor である T-cell death-associated gene 8(TDAG8)にも骨吸収抑制作用のあることを発見した。 本研究は、受容体分子系統解析によりGPCR関連生理活性脂質のシグナル伝達機能を明らかにし、その受容体アンタゴニストを用いた治療へ発展させることを目的としている。すなわち、①受容体欠損マウスの病態モデルの解析②生理活性脂質の細胞内シグナル伝達機構の解析③受容体アンタゴニストの治療薬としての有用性の解析を3本の大きな柱としている。 平成28年度は、これらの目標の内、特に細胞内シグナル伝達機構の解析が進展した。 すなわち、GPCRを初めとする生理活性脂質の生合成・分解に大きく関わるリゾリン脂質アシル転移酵素群の細胞分化における発現や機能の詳細を明らかにし、この分野の研究進展に貢献した。本酵素群は従来よりその機能の重要性が指摘されながら、近年までその実在性が不明であった新規酵素群で、PAFの合成などにも深く関わっている。 今後もこれらの酵素群とともに細胞内シグナル伝達機構の解析に努め、骨吸収性疾患の病態解明、治療薬の開発にも貢献したい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、生理活性脂質機能解析のブレイクスルーともいえるリゾリン脂質アシル転移酵素群の細胞分化における機能を解析し、大きな進展を得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、生理活性脂質機能解析のブレイクスルーともいえるリゾリン脂質アシル転移酵素群の細胞分化における機能を解析している。 本酵素群の解析とともに、さらに、細胞内シグナル伝達機構の解析に努め、骨吸収性疾患の病態解明、治療薬の開発にも貢献したい。
|
Research Products
(5 results)