2016 Fiscal Year Annual Research Report
下顎頭軟骨の特異性における抗酸化ストレス能のエピジェネティック制御
Project/Area Number |
16H05552
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
菅崎 弘幸 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (30333826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 豊 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00633588)
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 教授 (10097321)
和田 悟史 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20581119)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / 骨代謝 / 軟骨 / 転写 / Nrf2 / 抗酸化 / 酸化ストレス / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
一般的に顎関節症は若年者で好発するが、高齢者では若年者に比較して重症化しやすく変形性顎関節症となりやすい。長管骨関節軟骨は圧縮力耐性が高いが、下顎頭軟骨はチンキャップによる矯正治療が示すとおり圧縮力反応性があることはよく知られている。膝軟骨では過大な圧縮力により酸化ストレスが増加し、それが細胞・組織傷害因子であるとする報告がある。 研究代表者らは予備実験で抗酸化ストレス酵素発現制御マスター因子Nrf2が、下顎頭軟骨において膝軟骨の約1/10しか発現していないデータを得ている。 本研究課題では、下顎頭軟骨においてNrf2がエピジェネティック発現抑制を受け抗酸化ストレス耐性が低いと仮説を立て、その検証をin vivo, in vitroにおいて行う。 本研究課題では仮説として「下顎頭軟骨においてNrf2がエピジェネティックな発現抑制を受けておりそれにより抗酸化ストレス酵素群発現が総じて低下し抗酸化ストレス耐性が下顎頭軟骨では低くなっている」を想定しており、次の3つを具体的な研究目標として設定し、その検証を動物実験・器官培養実験を用いて遂行する。 1) 下顎頭軟骨と他の軟骨でのNrf2ならびに抗酸化ストレス酵素群メチル化の比較。 2) 上記メチル化・発現と関節破壊病態との関連解明。 3) 加齢下顎頭軟骨におけるNrf2活性化によるメカニカルストレス耐性向上の可否解明。 このうち、平成28年度は、1)について研究を遂行した。具体的には、下顎頭軟骨と脛骨成長板から核酸を抽出しメチル化比較を行うべくその条件出しを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成28年度は、下顎頭軟骨と脛骨成長板から核酸を抽出しメチル化比較を行う予定であったが、以下の理由で進捗としてやや遅れている。 1) 学内レーザーマイクロダイセクション装置の故障 レーザー発振器が破損したため使用できない状況であり、横浜市立大学でレーザーマイクロダイセクション装置を使用させてもらえるよう手続きを行う必要があり、その手続きで時間がかかったため。 2) 申請予算よりも交付金額が大幅に少なかった 申請金額は866万円であり、そのうち約600万円が機器購入費であった。交付額が650万円と、研究遂行に必須の機器購入を行うと、消耗品がほとんど購入できずそのためにスムーズな研究の遂行が滞ってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は次の部分を遂行する予定である。 1) 下顎頭軟骨と他の軟骨でのNrf2ならびに抗酸化ストレス酵素群メチル化の比較。 2) 上記メチル化・発現と関節破壊病態との関連解明。 上述の通り、レーザーマイクロダイセクション装置使用に関して問題が生じたが、現在は横浜市立大学のものを借用できるようになっており、平成29年度以降は問題ない研究遂行が予想される。
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