2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16H05558
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
城戸 瑞穂 佐賀大学, 医学部, 教授 (60253457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清島 保 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20264054)
合島 怜央奈 佐賀大学, 医学部, 助教 (30756143)
和田 裕子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 研究員 (70380706)
張 旌旗 九州大学, 歯学部, 技術専門員 (80380707)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | メカノセンサー / イオンチャネル / 歯肉 / 歯周病 / 物質透過性 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病は、口腔粘膜上皮である「歯肉付着上皮とエナメル質間の生理的封鎖の破綻による疾患」と位置づけられる。歯肉の上皮は口腔上皮、歯肉溝上皮、歯肉付着上皮、と部位により分けられている。私たちはそれぞれの上皮で発現するタンパクが異なっていることをこれまで発表してきた。歯肉付着上皮は、硬組織であるエナメル質との界面を有し、細胞間隙が広く、細胞のターンオーバーが早いなど、歯肉を構成する他の上皮とは異なる特性をもつ。そこで、歯周炎の発症の場である歯肉付着上皮の特性が分子機能から明らかにすることで、歯と歯肉上皮との封鎖の機構を解明すること、それらを新たな歯周病の治療戦略とすることを目的として実験を行なった。 野生型のマウスの歯肉付着上皮には、上皮細胞間接着に関連するイオンチャネルである TRPV4 (transientreceptor potential) チャネルが強く発現していた。さらに、細胞間接着を担う鍵となる分子として知られるE-cadherin, beta-catenin, F-actinも強く発現していることがわかった。さらに、TRPV4のチャネル活性が損なわれているTRPV4遺伝子欠失マウスでは、E-cadherin, beta-catenin, F-actinの発現が少なく、分布も野生型のマウスとは異なる分布を示していた。以上から、温度やメカノセンサーとしても知られるTRPV4が歯肉付着上皮の細胞間の接着に関与していることを示すことができた。 。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定していた仮説に基づいた成果が得られている。研究代表者の機関異動、異動後の研究棟の建て替え工事も無事に終わり、研究が実施できるようになったことに心から感謝申し上げます。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にのっとり研究を推進する。高精細の顕微鏡によりTRPV4が関与する細胞間接着機構を明確にしていくとともに、付着上皮の特性である細胞の入れ替わりの早さや細胞間の透過性についても調べていく予定である。
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Research Products
(11 results)