2017 Fiscal Year Annual Research Report
大規模災害発生時被災孤立地で活動する看護師を情報通信技術でサポートするための研究
Project/Area Number |
16H05570
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 太 東海大学, 健康科学部, 准教授 (30398531)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋月 有紀 富山大学, 人間発達科学部, 教授 (00378928)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 災害医療 / 情報通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、当初より①Web baseで扱える災害看護情報の検討とWebプラットフォーム作成、②通信インフラが破壊された状況での通信方法(衛星通信、地上系無線通信)の検討と通信実験、③災害看護で必要となるデジタルコンテンツの検討と実験を実施してきた。①③について、どのような情報が必要か、またどのような情報にすれば汎用性があるかを文献等を中心に調査した。それにより、2017年、災害医療情報の標準化手法「Minimum Data Set: MDS」が国際標準としてWHOに採択されてたことがわかり、このMDSは、被災地で活動する国際的な医療救援チームが、日報として被災国保健省へ報告すべき46の必須項目と、その定義が定められていた。このレポートを迅速に中央に集約し、分析することで、被災地全体の最新状況を把握し、作戦を立てることが可能となる。そのため、本研究ではこのMDSに注目し、MDSデータを伝送し、集約する基本システムにしてゆくとこにした。MDSは少ないデーター量であるが、災害急性期には大変に重要で有益な情報で、災害急性期の医療支援、看護師の活動をサポートするためには大変に意義がある。さらに、その情報を伝送するため、②の検討で、究極の状況を想定し、アマチュア無線のD-STARを用いての実験を進めた。D-STARでは大量のデータ伝送は出来ないが、最低限の設備で簡易に広範囲なネットワークを構築することが出来る。このD-STARでMDSを伝送する事は現実的で且つ意義があることである事がわかった。また、デジタル簡易無線によるMDS伝送の可能性も引き続き検討する方針を固めることができた。また、③の研究の一部として、人間の皮膚色を医療情報として正確に伝送する実験を続けた。その結果、皮膚色と血液データの一部と相関があることが明らかになった。この事については次年度さらに深く調査する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通り進捗している。ただし、通信ソフトウエアの開発がまだ十分には仕上がっていない。これについては、より現場で実際に利用できるような、実用を主眼にさらに研究を重ねることとする。
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年までの結果を元に、被災地を想定したエリアよりD-STAR、DCR規格でのMDSを伝送することを主軸として研究を進める。さらに、それら伝送された情報の一元化と情報の種類を吟味し、実際に被災地内で活動する看護師をどのようにサポートできるかを検討する。また、伝送するコンテンツの一つに、皮膚の色情報がある。実験の途中で興味深い発見があり、それらも含めて研究を進める。
|