2018 Fiscal Year Annual Research Report
母乳育児が産後うつ症状とBondingに及ぼす影響
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16H05585
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
島田 三惠子 獨協医科大学, 看護学部, 教授 (40262802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 めぐみ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 准教授 (00332601)
松崎 政代 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (40547824)
白石 三恵 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50632220)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 母乳育児 / 産後うつ / Bonding / オキシトシン / コルチゾール |
Outline of Annual Research Achievements |
1.目的:母乳育児が産後うつ症状およびBonding障害に及ぼす影響について明らかにする。具体的には、母乳育児、母乳育児セルフエフィカシー、オキシトシン・コルチゾール・メラトニン分泌と、産後うつ症状ならびにBondingとの関連、授乳方法とオキシトシン・コルチゾール分泌との関連<調査1>、直接授乳によるストレス反応の抑制および鎮静効果の有無<調査2>について分析する。 2.方法および成果:<調査1>大阪府内1施設で、産後入院中、産後1-2か月の女性を対象とし、基本属性、育児支援状況・授乳状況・精神的状況・睡眠状況との関連を検討した。外来で36週の妊婦349名をリクルートし、269名より研究同意を得、産後6か月まで追跡調査を実施した。唾液中オキシトシンの測定は、入院中65名、産後1-2か月45名分を行い、関連を検討中である。 産後入院中の192名について、直接授乳前後唾液中コルチゾール率の減少に関連する要因は1日の睡眠時間が長い事、一方、唾液中コルチゾール値増加(ストレス反応が高くなる)に関連する要因はPostnatal Bonding Questionnaire 得点の減少(ボンディングが良くなる)、母乳栄養より人工栄養である事、母乳の自己効力感尺度得点が高くなる(良くなる)事であった。 産後1か月時の115名では、直接授乳前後の唾液中コルチゾール値減少に関連する要因は、妊娠の計画性あり、実家への里帰り、睡眠の質が悪い事であり、一方、増加に関連する要因は、夜間中途覚醒のための睡眠困難、抑うつ傾向、直接授乳回数が多い事、母乳育児自己効力感が高い事であった。 <調査2>都内の助産院で、母乳外来の予約待ちまたはon callで対象者のリクルート待機した。授乳中の自律神経系の変動を観る心拍モニターの装着方法の工夫等、展開方法の打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査1については、大阪府内で当初の計画通りデータ収集を行い、2018年12月末までに269名より研究同意を得、産後6か月まで追跡調査を実施し、データ収集は今年度で終了した。直接授乳前後の唾液中コルチゾール値の測定は大阪大学内の実験室で終了し、要因との関連を解析した。唾液中オキシトシンの測定は、入院中65名、産後1-2か月45名分を行い、関連を検討しているところである。 調査2については、東京都内の助産院での乳外来の予約のタイミングが諸事情(乳房トラブル、天候・対象者の家庭の事情)で外れたり、同意の得られるサンプル数が少ない。
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Strategy for Future Research Activity |
調査2については、東京都内の助産院での乳外来は対象者の諸事情で、同意の得られるサンプル数が少なかったため、次年度以降、関東県内の調査施設(栃木県内を交渉中)を追加して、データ収集を行う。
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