2016 Fiscal Year Annual Research Report
急性期病院における認知症看護卒後研修プログラムの開発と評価
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16H05595
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
グライナー 智恵子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20305270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯和 勅子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30336713)
岡本 菜穂子 上智大学, 総合人間科学部, 准教授 (30553565)
福田 敦子 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (80294239)
龍野 洋慶 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70782134)
山口 裕子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (30782148)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 概念分析 / 認知症看護 / Competency / 急性期病院 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急性期病院で働く看護師に必要とされる認知症看護Competencyを明確化しその評価指標を開発すること、これを高めるプログラムを開発して卒後研修ラダーに組み入れ、その効果を検証することである。 2016年度は、急性期病院における認知症看護Competencyの明確化と事例検討会における事例集積を行った。 認知症看護Competencyにおいては、Rodgersの方法を用いた概念分析によりその明確化を図った。Medline、CINAHL、PsycINFO等を使用して文献検索を行い、抽出した関連文献164から最終的に20文献を選定した。この20文献を用いてマトリックスシートを作成、関連概念、属性、先行因子、帰結に関する記述の抽出を行った。属性ではEthical considerationなど4要素、先行因子ではTeam approach、External environmentなど7要素、帰結ではPatients’ wellbeing等6要素が抽出され、急性期病院における認知症看護Competencyの概念構成要素が明確化された。 事例検討会では、協力の得られた急性期病院の2病棟において、認知症患者や手術後に認知機能低下の可能性のある患者に関する看護で対応を検討したい事例を適宜提示してもらい、研究者と共に患者への対応等についてディスカッションを行った。これら話し合いの内容と対応策等をまとめ、事例データとして集積を行った。対応策としては、環境への働きかけ、他職種との情報共有や患者のこれまでの経験を考慮した役割の提示、心地よい雰囲気作りやケアの提供、家族との情報共有やケアへの参加、視覚的に認識できる工夫などが挙げられた。 今後は急性期病院に勤務する看護師へインタビュー調査を実施し、認知症看護Competency要素を質的に明らかにする。その結果と今年度の結果を統合して、認知症看護Competency評価指標原案を作成、その信頼性と妥当性を検証していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
急性期病院における認知症看護Competencyの概念分析を終了し、現在論文投稿の段階にある。また、急性期病院に勤務する看護師との事例検討会の実施も順調に進み、一定の事例集積を行うことができた。以上よりおおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
分担研究者との協力体制を強化し、できるだけ早期にインタビュー調査の実施と分析を行う。質問紙調査については、本調査の実施時期に鑑みて、内容妥当性の確認、プレテスト、調査協力施設への依頼を計画的に行う。また本学附属病院看護部との連絡調整を密に行いプログラム開発に向けた準備環境を整える。
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