2020 Fiscal Year Annual Research Report
北極ツンドラ生態系における土壌CO2フラックスの冬期の動態解明と年間の高精度推定
Project/Area Number |
16H05622
|
Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
内田 雅己 国立極地研究所, 国際北極環境研究センター, 准教授 (70370096)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米村 正一郎 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (20354128)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 極地 |
Outline of Annual Research Achievements |
年間の土壌呼吸量の推定を行うために、土壌温度、気温、気圧、土壌中の二酸化炭素(CO2)濃度および無雪期間に野外で測定した土壌呼吸速度のデータを用いて、土壌層毎の二酸化炭素濃度推定モデルを構築した。無雪期間については、土壌層毎のCO2濃度の変化について、ある程度再現できたものの、冬期(積雪期間)はCO2濃度の再現性の低い土壌層が複数認められた。この要因として、今回始めて捉えられた積雪期間の土壌CO2濃度の大きな変化が考えられた。CO2濃度の大きな変化が生じた際には、気温がマイナスからプラスに転じ、降雨が認められていた。土壌温度も気温の上昇に応じて上昇したことは調査地で取得したデータから明らかとなったが、降雨については土壌にどのような影響を与えたのかを検知できるセンサーが無いため不明である。しかし、同様の現象が生じた際に観察できたこととして、降雨が持続すると地表面に液体の水が達し、地表面に沿って水が流れていたこと、その現象は降雨が認められなくなっても暫く継続していたことから、これらの要因が直接的、間接的に土壌中のCO2濃度変化を引き起こしている可能性が考えられた。 野外で観測した土壌環境および土壌中のCO2濃度データ、および室内実験から明らかとなった土壌からのCO2放出特性にもとづき、積雪期間中の突然の昇温が年間のCO2放出に与える影響を推定したところ、冬期に2回昇温が生じた年の実データを用いた場合、年間の土壌からのCO2放出量は10%程上昇した。以上から、年間の土壌CO2フラックスを推定するためには、冬期に生じる昇温と降雨という新たな要因を考慮する必要のあることが明らかとなった。
|
Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
|