2016 Fiscal Year Annual Research Report
Role of of That Luang Marsh for Environmental Health of Laos Vientiane Metropolitan Area
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16H05634
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Research Institution | Suzuka University of Medical Science |
Principal Investigator |
翠川 裕 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (10209819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 徹 山形大学, 農学部, 教授 (10302192)
大村 達夫 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (30111248)
中村 哲 広島文化学園大学, 看護学部, 教授 (40207874)
真砂 佳史 国際連合大学サステイナビリティ高等研究所, サステイナビリティ高等研究, その他 (50507895)
翠川 薫 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (20393366)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | タートルアン湿原 / ビエンチャン / ラオス / チャイナタウン / メコン川 / 環境 / 水質 / 下水処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
下水処理施設が未だに設置されていないラオスの首都ビエンチャンでは、タートルアン湿原での自然浄化システムがその役割を担っており、メコン川の水質を保全していることが2016年度の調査でも確認された。この調査では生活用水が湿原を介さずに下水溝から直接メコン川に流入していることも判明した。しかしながら、流入水量はわずかで、広大なメコン河川の有する自然浄化能力で十分水質浄化できることが示唆された。雨季と乾季の2回に分けて行った2016年度の調査で湿原の中央に位置する建設中の建物の進行を静止画・動画にて記録した。ビエンチャン市内と郊外における水環境・大気環境の現状を調べた。雨季と異なり、乾季にはタートルアン湿原の水は、直接メコン川に流れ込んでいないことも判明した。一方、感染型食中毒のサルモネラは、日本においては人の保菌率は低いが、ラオスでは、その数百倍のリスクがあることが同時に行われた調査でも判明している。湿原およびメコン川でのサルモネラの検出は、水質の指標として今後の調査対象となることが考えられる。そのためにサルモネラの検出効率を上げる必要があり、サンプリング法の改良に努めていくことが今後の研究課題となる。中国資本による同湿原の埋め立てによるチャイナタウン建設は、湿原の機能に影響を及ぼし、さらにメコン川の水質を悪化させることが懸念され、2016年度に調査した項目は、以後4年間同様の項目で経年調査の必要性が示唆された。 ラオス住民にとって本研究課題はいっそう重要な環境問題にテーマとなっていることも確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メコン川、タートルアン湿原 近郊の村パイロム村の水質調査を雨季と乾季で一回ずつ計二回行った。2度にわたる予備調査にて水質調査と大気調査の調査すべき地点を決定した。 調査に際してラオス政府内閣総理大臣府バナラッド氏の調査協力を約束、ラオス政府機関の調査協力・許可を取得。調査をラオス政府公認の下に行う道が開けた。本研究では、相手国政府機関の了解は最重要必須事項である。 実験室として、遠心分離機、冷蔵庫・培養器その他分析機械および微生物検査まで行うことが可能なマホゾート病院細菌検査室の使用を、研究協力者であるマニバン室長との間で締結
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Strategy for Future Research Activity |
1.チャイナタウンの建設の進行を継時的に観察していく。 2.2016年度の調査で計測した地点を必須の継続調査し、環境汚染の指標を経年変化で解析していく。指標の悪化が予想されるが、どの指標が変化の度合いが多いかを検討する。 3.水質調査すべき地点では、化学的酸素要求量(COD)・溶存酸素(DO)などの一般水質の他、特に病原微生物大腸菌・大腸菌群及びサルモネラ検出を強化し、定量的に調べ、ノロウイルスの検出を遺伝子レベルで調べる。 4. メコン川の水質は、総理大臣府バナラッド氏の了解の下、船を借り切り、ビエンチャン市内上流から下流まで調べる。特に重視するのはメコン川への流入河川の河口部である。これにより、汚染の顕著な場所とその原因を特定できる。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] APOE Genotype in the Ethnic Majority and Minority Groups of Laos and the Implications for Non-Communicable Diseases2016
Author(s)
Kaoru Midorikawa, Douangdao Soukaloun, Kongsap Akkhavong, ,Bouavanh Southivong, Oudayvone Rattanavong, Vikham Sengkhygnavong,Amphay Pyaluanglath, Saymongkhonh Sayasithsena, Satoshi Nakamura, Yutaka Midorikawa, Mariko Murata
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Journal Title
Plos One
Volume: 11
Pages: ー
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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