2016 Fiscal Year Annual Research Report
アンコール遺跡群における予防的保存に資する劣化・変形・環境観測システムの構築
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16H05636
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
川村 洋平 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (40361323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 武 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30063770)
新谷 眞人 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 名誉教授 (30434319)
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 教授 (50241790)
松井 敏也 筑波大学, 芸術系, 准教授 (60306074)
河崎 衣美 筑波大学, 芸術系, 研究員 (60732419)
北原 格 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (70323277)
山田 俊亮 安田女子大学, 家政学部, 助教 (80580076)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 世界遺産保存 / モニタリング / 通信システム / 3次元モデリング / 浮き彫り |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は課題初年度という事もあり、4月14日に早稲田大学にて研究分担者全員と顔合わせを行い、準備としてプロジェクト全体の確認、年度計画の調整および研究体制の確認を行った。この確認作業は予定通り6月の段階で終了し、それぞれの分担者が自身の担当部分の研究を7月から遂行した。 8月に代表者と分担者2名を除く残りの分担者が現地(カンボジア)入りし、現地調査と議論を重ねた。代表者と分担者2名は日本国内でミーティングを行い、システム開発のたたき台を作成した。9月に、准リアルタイムデータ回収・転送システムのデザインを完成し業者にロガー等の作製を依頼した。また、浮き彫り劣化を検知できる3次元モデル生成手法を検討し、カメラの要求水準を確定した。 12月に代表者と3次元モデル生成担当がカンボジア入りし、現地調査員と共に現場の検証および観測候補地点の選定を行った。また、現場事務所の設備を確認し、今後の開発に必要な設備を調査した。現地では候補となった浮き彫りに対して多数の写真撮影を行い、3次元モデル生成時ガイドラインを作成した。また、帰国後、それぞれの撮影ポイントによる3次元モデルを作成しその精度を確認した。 年末から年明けにかけて、准リアルタイムデータ回収・転送システムのプロトタイプを完成した。スマートフォン間のマルチホップリレー、ロガーの親機・子機間のアドホック通信の成功を確認し、様々な条件下での電波減衰傾向およびスループットを国内で計測している。 また、代表者および分担者はそれぞれに関連する国内外の会議に積極的に参加し、本課題をアピールするとともに、新たなシステムの可能性を検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度から、チームが機能的に働いている。今後のモニタリングポイントも決まり、また、計測・通信システムもプロトタイプが完成した。RSSI取得実験およびスループット計測実験結果も当初予定よりも良好であり、大幅な変更は不要という見解を得ている。 また、関連研究の雑誌論文掲載も5報あり、高く評価できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、提案する計測・通信システムの完成をを目指し、バイヨン寺院に実装し、1年程度の長期モニタリングを実施する。 また、長期モニタリングにより見えてくる問題点を順次解決することとなる。 特にフォトグラメトリーによる3次元モデル生成では、日々の照度変化に起因する生成モデルのノイズ問題を、毎日の写真撮影が可能である利点を生かし(通信システムの構築によって可能となる)、アーカイブしたモデルからクラスタリング技術により、ノイズと実際の変化を判断しノイズを除去する手法を開発する。
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Research Products
(14 results)