2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of monitoring system for Bayon temple preservation and conservation
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16H05636
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
川村 洋平 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (40361323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 豊 秋田大学, 国際資源学研究科, 講師 (00633471)
中川 武 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (30063770)
新谷 眞人 早稲田大学, 理工学術院総合研究所(理工学研究所), 名誉教授 (30434319)
水谷 孝一 筑波大学, システム情報系, 教授 (50241790)
松井 敏也 筑波大学, 芸術系, 教授 (60306074)
北原 格 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (70323277)
山田 俊亮 安田女子大学, 家政学部, 助教 (80580076)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 予防的保存 / 准リアルタイムデータ通信 / モニタリング / 3次元復元 |
Outline of Annual Research Achievements |
開始から3年度目になる平成30年度は、Wi-Fiアドホックを活用した准リアルタイムデータ回収・転送システムをアンコールトムバイヨン寺院に実装した。観測対象として、岩石コアの暴露台を准リアルタイム観測することとし、カメラおよび各種センサ、簡易データロガ、アクセスポイントを現地に設置した。また、前年からの引き続きとして通信アプリの改善に努め、バックグラウンドではないが簡単なスマートフォン操作にてデータが伝送が可能となるようにアプリを再設計・実装した。現地調査員に本アプリがインストールされたスマートフォンを携帯させ、日々のモニタリングデータを集約している。また、事務所からクラウドにてモニタリングデータをアップロードし、遠く離れた日本にてそのデータを確認できるようクラウドシステムを現地事務所に設置した。これにより定期的な長期モニタリングが可能となった。現在はデータの収集に努めている。 浮き彫り劣化を検知するための3次元モデル生成手法に関しては、対象とする石柱(浮き彫り有り)を特定し、平成29年からの1年間の経年変化を解析している。また、撮影時期の違う映像からの3次元モデル復元手法を新たに開発し、3次元モデルによる劣化検知の手法にロバスト性を持たせている。また、現在、アーカイブしたモデルからクラスタリング技術により、ノイズと実際の変化を判断しノイズを除去する手法を開発している。 上記の3次元計測とWi-Fi無線データ通信が実装できたことから、今後の長期モニタリングの可能性が高まっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
准リアルタイムデータ伝送のためのアプリ開発が難航している。未だ、データ取得率は100ではなく、定期的なシステム再起動を余儀なくされている。また、遺跡の制約上、モニタリングを希望する場所には機材を設置できない状況が続いている。 しかしながら本提案システムは全く新たな概念のモニタリングシステムとして本分野からの注目を集めている。対象としてるバイヨン寺院のモニタリングのみならず、他の遺跡への技術転用の可能性が非常に高い。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年であるH31年度はデータ伝送システムの完成度を高める必要がある。それにより、本科研費の助成後も継続なモニタリングが可能となる状態を構築する。つまり、バイヨン寺院の観測システムとして常時稼働を目指す。 新年度前半における長期モニタリングシステムの完成後、浮き彫りおよび構造物自体の変形に・劣化に対する環境との相関モニタリングを実施していく。
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Research Products
(18 results)