2016 Fiscal Year Annual Research Report
Oral presentation study of French Creole folktales in the Indian Ocean
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16H05671
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
小田 淳一 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (10177230)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レユニオン / 民話 / インド洋西域 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.レユニオン島における職業的語り手の口演の収録:(1) レユニオン島の各地域において16名のプロの語り手から延べ30話ほどを映像及び音声で収録した。協力を得た語り手は次の通りである。アニー・グロンダン,セリーヌ・バレ,ブリュノ・バノール,ザヴィエ・リヴィエール,アナスタジア,アンヌ・シェネ=フォンテーヌ,ブゥルティ・デュバル,イザベル・シヨン,ジャン=ピエール・アカパンディエ,ジョゼット・サビニー,ソートロン・リュコ,ダニエル・オノレ,テディ・イアファレ=ガンガマ,シュゼール・キュヴリエ,ダニエル・ベルジョー,ジャン=ベルナール・イファノイザ。(2) UDIR(レユニオン・アイデンティティ擁護協会)が主催した,語りの基本的な技能の習得や,オリジナルの伝統的民話に触れることで民話を巡る文化的な広がりを身につけるための,語り部養成のための研修内容の一部を許可を得て収録した。これによって,語りの収録だけでは捉えられない,実践的な文化施策としての「語り」の位置づけを確認することができた。 2.収集データの処理:(1) 収録した民話の一部を,語られた言語であるレユニオン・クレオル語へ起こすと共に,フランス語への翻訳を行った。(2) 民話モティーフの抽出を開始した。(3) 映像データから,聴衆とのインタラクティヴな言語表現,身体表現の抽出を開始した。 3.民話集刊行のための打ち合わせ:レユニオン島の語り部協会の会長であるダニエル・ベルジョー氏及び前会長のクリスティヌ・ランゴ氏と面談を行い,今後の調査について協力を要請して快諾を得ると共に,語り部の最長老であるダニエル・オノレ氏(中国系移民2世)に,刊行予定のレユニオン民話集の序文の寄稿を依頼し承諾を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
語り部協会の全面的な協力によって民話の収録が順調に進んでおり,さらには2018年10月に開催されるレユニオン県の公的な催事である「フェスティヴァル・クレオル」に日本の落語家を招待して公演を行うよう県議会に申請するための助力を要請されるなど,国際交流の面でも成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
レユニオン島において当初の予定以上に多くの民話の収録が進んだことから,その文字起こしと翻訳のための謝金が増加したため,セーシェルにおける調査は見合わせ,レユニオン島に特化した民話集の刊行及び,その分析に基づく,インド洋における民話伝播の研究を目指すこととする。また,民話集に音源及び/或いは映像を添付するための許諾を得る予定である。
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