2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Nikkey Plurilingual speakers in Latin America
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16H05676
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松田 真希子 金沢大学, 国際機構, 准教授 (10361932)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Daniel Long 首都大学東京, 人文科学研究科, 教授 (00247884)
渡部 倫子 広島大学, 教育学研究科, 准教授 (30379870)
森 篤嗣 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (30407209)
宮崎 幸江 上智大学短期大学部, 英語科, 教授 (60442125)
小林 ミナ 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (70252286)
細川 英雄 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 名誉教授 (80103604)
佐野 香織 早稲田大学, 日本語教育研究センター, 講師(任期付) (80774398)
久野 マリ子 國學院大學, 文学部, 名誉教授 (90170018)
中井 精一 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (90303198)
福島 青史 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (90823724)
伊澤 明香 大阪経済法科大学, 公私立大学の部局等, 助教 (70846899)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 継承語教育 / 南米日系社会 / 複言語・複文化 / 市民性教育 / バイリンガリズム / ボリビア / パラグアイ / ブラジル |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は事業の中間報告として「社会・人・ことばの動態性と統合に関する国際シンポジウム」をブラジルで開催した。そこで、ボリビアとパラグアイの日系人コミュニティでのフィールドワークを基にした複言語状況に関する報告や(ロング2019)、ブラジル富山県人会・アリアンサ移住地等で実施した聞き取り調査をもとにした日系人社会の伝統文化や習慣、言語生活や方言についての調査報告(中井2019)等を行った。これらの調査研究から南米日系人社会において望まれる日本語および日本文化のありかについての検討を進めることができた。 年少者の日本語複言語状況調査については、国際交流基金サンパウロ日本文化センターと共同で調査を進めている。南米日系社会で家庭内での日本語使用がある地域はパラグアイ・ピラポ移住地等ごく一部であり、多くの日系コミュニティの日本語学校は継承語としての日本語教育(JHL)から外国語としての日本語教育(JFL)へと移行している現状がみられた。しかしそのことで、日系人子弟の日本語・日本文化の継承が弱まり、人間教育・市民性教育等日系社会の継承日本語教育のよき伝統も失われている傾向がみられた(渡辺・松田2019)。同時に、継承日本語教育が一定の成功を収めている地域はコミュニティや学校における日本語使用や教育との関連がうかがえた。日本からの帰国生の日本語の維持の状況についても一定の調査を行うことができた(伊澤2019)。今後さらに調査を続け、継承・維持・喪失の要因分析を進める予定である。 当該事業によって、多くの日系人が自身を非正統な日本語使用者と捉え、それがエスニックアイデンティティにも影響を与えていることがわかった。今後は日本語の規範化や境界線を緩和し、継承語話者の言語使用をトランスランゲージングな観点で主体的に評価できるような研究へと展開する予定である。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(26 results)