2016 Fiscal Year Annual Research Report
内モンゴルにおける農牧業生産主体の変容と住民高齢化による地域環境利用への影響
Project/Area Number |
16H05685
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
関根 良平 東北大学, 環境科学研究科, 助教 (90333781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 達 札幌学院大学, 経済学部, 准教授 (40614186)
小金澤 孝昭 宮城教育大学, 教育学部, 特任教授 (70153517)
庄子 元 宮城教育大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (90774696)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 内モンゴル / モンゴル / 地域住民の高齢化 / 地域環境利用の変化 / フードシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、市場経済が浸透する一方で農牧民の階層分化と人口高齢化が進展する中国内モンゴルを対象に、自然条件と営農形態が異なる地域を比較しつつ、地域における経済活動と農牧民の生活戦略のあり方および資源利用の変容プロセスを詳細に解明する。とくに、2000年代に多くの農牧民に影響を与えた政府による環境政策の縮小と入れ替わるように活動を展開する、企業組織や農民専業合作社による農地および草地や労働力といった地域資源の再編・集積メカニズムに加え、若年人口の流出と高齢化による農牧民の社会経済活動の変容を相互かつ一体的に解明する。それによって、地域資源の利用・管理システムの変化による地域環境への影響を吟味し、地域の持続的なあり方を多面的に検討する。 平成28年度は、日中関係および中国国内諸情勢の変化によって、インタビューやアンケートなどフィールドワークを伴う調査を実施することがほとんどできなかった。その前提となる作業として、現地海外協力者を通じて内モンゴル自治区および中国に関する社会経済に関する地域統計の入手は継続して実施した。また、現地の研究協力者との情報交換を継続し、引き続き現地実証調査の可能性を探索した。 また、本研究の分析課題の1つである、経済発展に伴う食料供給体系の変容・ダイナミズムに関する実証的解明について、近年経済発展および首位都市ウランバートルへの人口集中が著しいモンゴル国との比較検討を分析フレームワークに新たに加える可能性を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
近年の中国および日本の情勢・関係により、現地の共同研究者と密に連絡をとりつつ対象地域の情勢に関する情報収集を実施した。それをふまえて研究代表者・研究分担者が渡航し現地フィールドワークを実施する予定であったが、とりわけ民族自治区である内モンゴル自治区での世帯レベルでのデータ収集に関しては困難な情勢が継続した。そのため、年度中に予定していた現地フィールドワーク調査がほぼ実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究対象地域を再び吟味検討のうえ、調査可能な地域を再設定すること、そのために当局との折衝や許可を現地共同研究者が行うこととする。また、政治体制の違いは存在しながらも厳しい環境下にあって牧畜業が展開し、さらに経済発展が著しく、今後内モンゴルと同様に住民の流動や非都市的地域の高齢化が進展するとみられるモンゴル国側から、上記研究課題にアプローチすることとし、そのための研究体制を再構築する。あわせて、とくにモンゴル国における研究可能内容の高度化をはかるために、ドローンによるデータ収集のための機材導入と講習会参加による操縦技能の習得を実施する。
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Research Products
(6 results)