2016 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀型農業経営のモデル創出に関する研究―乳文化産業の日欧比較―
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16H05711
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
木村 純子 法政大学, 経営学部, 教授 (00342204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (30396337)
上田 隆穂 学習院大学, 経済学部, 教授 (40176590)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 循環型農業経営 / 乳文化 / チーズ / 6次産業化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、持続可能あるいは循環型社会という新たな価値観に注目し、それが農業経営にいかなる変更を要請するのかについて、国際比較という視点から、環境、生産、消費との関わりの中で探索的に明らかにすることを目的としている。具体的には、欧州と日本という文化的に異なる国での乳文化産業に焦点を当て、歴史分析ならびにインタビューやフィールドワークといった異なる複数の手法を組み合わせたアプローチにより収集された多様なデータの分析・解釈を通じて明らかにすることを目指している。異なる国における文化的差異に注目することにより、21世紀型農業経営モデルの構築を試みる。 平成28年度に実施した研究の成果は次の通りである。 【具体的内容】平成28年7月にイタリアのドロミテ山岳地域における乳文化の調査、および平成29年2月にイタリアのサルデーニャ島の山間部における乳文化の調査を実施した。 【意義】乳文化がすでに浸透しているイタリアにおける北イタリアの山岳地帯と紀元前13世紀のフィニキア文化が残された島サルデーニャという異なるコンテクストにおいて循環型社会のあり方の手がかりを得た。 【重要性】持続可能な社会の概念が農業経営にいかなる影響を与えるかという研究潮流の発展を促進するための鍵概念を導出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は文献調査で整理したキー概念をベースにインタビューリストを事前に作成し、日欧両国における文化が生む農業経営の差異に関する手がかりを得るために両国における農業経営者や乳加工品生産者に対しても積極的にインタビュー調査を実施する予定であった。21世紀型の社会価値を基盤とした農業経営戦略の認識と考え方やそれを推進する意義を確認し、それらの文化的多様性について、キー概念間の関係を整理しながら明らかにすることを目指しイタリアにおいて調査を2回実施できたが、日本における乳文化に携わる主体を対象とする調査は未実施である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に収集したイタリアにおける調査データを専門業者に依頼して文書化し、研究者がコード化をすみやかに進める。また、テキストマイニング用で注目されているソフトウェアNVIVOを使用することで、研究活動の効率化を図る予定である。 日本の乳文化に携わる主体、例えば乳を生産する酪農家やチーズを生産する職人、および乳製品による地域活性化を目指す関連主体に対する調査を実施する。
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Research Products
(2 results)